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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

現実に近づきつつある核テロ脅威にどう向かい合うか
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年7月11日第482号 ■   ==============================================================  現実に近づきつつある核テロ脅威にどう向かい合うか  ============================================================    現実にそれが起きれば大変な事になる事がわかっているのに、有効な手を打てずにいたずらに時が空費されることが世の中には多く存在する。  核テロの脅威もその一つであることは間違いない。  そして核テロと言った場合、核兵器がテロ組織やテロ国家に拡散する危険性はもとより、テロ組織やテロ国家による核施設攻撃の脅威の方が、いまやより現実的な脅威となっている。  きょう7月11日の日経新聞が次のような小さなべた記事を掲載していた。  すなわち原子力規制委員会は原子力施設へのテロ対策の強化を目指し、国際原子力機関(IAEA)の調査団を来年2月に受け入れる方針だと。  報道によれば、日本の核物質防護体制が国際的基準を満たしているか助言を受けることで、日本政府は日本の核セキュリティーの向上につなげる、などと、日本がIAEAに要請した形になっているように書かれている。  しかし、米国やIAEAが日本への核テロ攻撃を懸念している事は、これまでの米国やIAEAの言動から明らかだ。  そう思っていたら、イスラエルのガザ攻撃を報じる記事の中に衝撃的な事が書かれていた。  すなわちガザからイスラエルの原子炉に向けてロケット弾が発射されていたというのだ。  イスラエルは対空防衛システムで一発を破壊し、残る二発は空き地に着弾したという。  ロイター通信が7月9日に報じたという。  これは、核テロの現実が確実に近づいているということだ。  ガザからイスラエルの原子炉があるモディナまで、わずか80キロだという。  一発でも原子炉に着弾すれば大変な事になる。  そして何よりも、パレスチナ武装抵抗組織や、その支持者たちは、イスラエルに抵抗するためには核テロに対する一切のためらいはない。  その事を私は彼らと話して知っている。  彼らにとっては、核テロによる犠牲など、自分たちがイスラエルから受けた犠牲に比べれば取るに足らないものなのだ。  自分たちを見殺しにしてきた世界に文句を言う資格などない、というのだ。  核テロが現実のものとなる可能性は、高まる事はあってもなくなる事はない。  それが無くなる時は、米国やイスラエルがその誤りに気づいてパレスチナ政策を改める時か、核兵器を率先して放棄する時だ。  そのいずれもが起こりそうもない。  そう皆が手をこまねいてやり過ごしていると、取り返しのつかない事が起きるかもしれない。  今度のイスラエルのガザ攻撃と、イラクの混乱は、その事を改めて教えてくれているのである。  我々はもっと真剣に世界の平和と人類の未来を考えなければいけない時に差し掛かっていると思う(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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