□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年5月8日第357-2号 ■ ============================================================== 噴飯もののナイジェリア「イスラム過激組織」の暴挙 ============================================================== 今度のナイジェリアの「イスラム過激組織」なるものがおかした暴挙ほど腹立たしいものはない。 もちろんその蛮行については言語道断だ。 しかし私が腹立たしいという理由は、このような蛮行とパレスチナの民族解放組織の抵抗(レジスタンス)やエジプトのモスレム同胞団が、ひとしく「イスラム過激組織」として報道されることだ。 いうまでもなく世界にはあらゆる「テロ」が噴出するようになり、それらが決まって「テロ」とひとくくりにされる。 そのテロも政治的テロもあればまったくの暴挙のテロもあるが、やはり同じテロの言葉でひとくくりされる。 そのテロの中で、国際政治的にもっとも深刻で重要なものは私にとっては欧州やロシアや中国に起きるテロよりもパレスチナ問題に絡む中東のテロだ。 イスラエルのパレスチナ占領という戦後の国際政治の最大の問題に関する「テロ」以外に、私の「テロ」への関心はない。 というか、とてもすべてのテロの政治的背景に通じて語る余裕はない、というのがいまの私だ。 それらあらゆるテロをひとくくりにして「イスラム過激組織」によるテロ、つまり悪と決めつけるような報道は問題を見誤らせるものである。 ただでさえそうなのに、今度はナイジェリアの「イスラム過激組織」のテロだという。 これは私に言わせれば単なる野蛮な犯罪だ。 ソマリアの海賊よりも、もっとたちの悪い金目当ての犯罪だ。 国際政治とは何の関係もない。 相手にする主義、主張も皆無だ。 ちなみにナイジェリアは私が外交官人生の第一歩を踏み出した(1972年)国だ。 愛着はあるが愛情はない。 あのときも今も何も変わらない。 それどころか政治は悪くなる一方だ。 ナイジェリアだけではない。 かつて私はアフリカ課長の時、南アの人種差別政策には断固反対してその撤廃につとめたが、同時にそのときアフリカ諸国を回って首脳に訴えた。 なぜほかのアフリカ諸国は自立、発展し、南アをアフリカの手で解放しようとしないのかと。 指導者たちが決まって私に繰り返した。 すべてを奪われた奴隷状態のアフリカが自立するには百年以上かかると。 たしかに当時はアフリカ諸国が一斉に独立しはじめてまだ40年ほどだ。 しかしそれからすでに30年たった。 私がナイジェリアを去ってからでも40年以上経つ。 しかしアフリカの政治は悪くなるばかりだ。 いつまでも植民地支配や金融資本主義の搾取のせいばかりにしてはおれないだろう。 ナイジェリアよ。いいかげんに目を覚ませ。 それにしても人質救済に一早く声明を発し、行動を起こした米国はご苦労なことだ。 これだけは米国にしかまねができない。 やはり米国は世界の警察国家である。(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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