□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年5月8日第357号 ■ ============================================================== 集団的自衛権行使容認を強行突破する安倍首相の高転び ============================================================== 連休が終わったとたん、国会やメディアは集団的自衛権行使容認をめぐる議論に明け暮れることになる。 しかしいくら議論をしても無意味だ。 解釈改憲論者とそれに反対するもの達の議論がかみ合うはずがない。 しかし、私が議論は無駄だというのはそのことではない。 どんなに反対されても、安倍首相は集団的自衛権行使容認に踏み切らざるを得なくなってしまったからだ。 一つには、改憲はみずからの政治信条であると安倍首相は愚かにも公言してきた。それを取り下げることは政治生命を失うことだ。一度無様な格好で政治生命を失った安倍首相にとって今度こそ名誉挽回というわけだ。 二つ目は、安倍首相はすでにそれを国際公約にしてしまったことだ。 今度の安部首相の無意味な外遊の先々で、安倍首相は訪問国との安保協力強化を繰り返した。これは立派な集団的自衛権行使容認を宣言したようなものだ。 何よりも安倍首相はオバマ大統領との会談でそれを宣言し、オバマ大統領に誉めてもらった。 ご丁寧に石破幹事長を渡米させてバイデン副大統領にそれを繰り返させた。 ここまで国際的に公言しまくって、それでしない、できないとなると終わりだ。 だから野党はもとより自民党内部や、いや、閣僚の中でさえ反対があっても安倍首相は踏み切らざるを得ない。 朝日がスクープした、閣議決定なしの首相の意見としての政府方針という記事が真実味を帯びてくるというわけだ。 しかし解釈改憲論の議論が進めば進むほど安倍首相に不利になっていく。 連休中のテレビの討論番組を見ていても解釈改憲論は明らかに分が悪い。 改憲論者さえも解釈改憲は姑息だと反対している。 何よりも世論は解釈改憲に反対が優勢だ。そしてこの傾向は議論が進めば進むほど高まるだろう。 それでも安倍首相は強行せざるを得ない。 しかし、そのときは未曾有の国会混乱が起きるだろう。 祖父と同じように辞職に追い込まれるだろう。 アベノミクスは吹っ飛び、日本経済は再び大混乱になる。 安倍首相は何もかもぶちこわして辞めていった、史上最悪の首相として歴史に名を残すことになるだろう。(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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