□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年5月1日第350号 ■ ========================================================= またひとり、ものすごい内部告発者を見つけた。 ======================================================== 「消費税増税の黒いシナリオ」(田村秀男著 幻冬舎ルネサンス)という新書を一気に購読した。 これはものすごい本だ。 田村秀男氏は、日経新聞を経て現在は産経新聞で経済記事を書き続けている経済記者だ。 かねてから消費税増税に反対の論陣を張り、デフレ脱却を目指すアベノミックスに一貫して批判的な記事を産経新聞に書き続けてきた記者である。 私が彼に注目し続けてきたのは、産経新聞という権力側の新聞にあって、公然と安倍政権の経済政策を批判しているところだ。 そういうこともあってこの本を購読し、あらためてこの書のデフレ政策批判の強さに驚いた。 デフレ政策批判の本は巷に数多ある。 しかしこの本の凄さは、産経新聞の現役記者が正面から安倍政権の政策を批判しているところだ。 そして、財務官僚の無能さと政策の誤りを糾弾しているところだ。 私が一番驚いたのは、プラザ合意における日本の敗北を、体験を取り入れて書いているところだ。 何よりも驚いたのは、田村氏みずからが米財務省の内部と通じて、アメリカの日本搾取政策を知りながら、スクープの手柄に負けてそれを隠し続けて報道していた裏切りをこの本で率直に認めているところだ。 今になってそれを告白し、真実を吐露したその勇気だ。 紛れもない立派な内部告発者である。 プラザ合意で日本が米国に従属して、日本経済を米国に差し出したことを喝破した本として、「マネー敗戦」(吉川元忠著 文春新書 平成10年10月初版)がある。 この書は、急激な円高と日本の低金利によって、円がアメリカに流出するメカニズムを設定させられたことを喝破した本である。 その内容の凄さに比して、この本は注目されることなく、吉川氏は失意のもとにこの世を去った。 今まさに田村氏が、みずからの体験を暴露して「マネー敗戦」を見事に再現してくれた。 この本もまた、世の中から注目されることなく葬り去られていくのだろうか。 そうならないように田村氏には頑張ってもらいたい(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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