□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月23日第252号 ■ ========================================================= 自賠責がずさんな治療費に浪費されていると報じた朝日 ======================================================== きのう3月22日の朝日新聞が殊勲の大スクープを書いた。 すなわち自動車やバイクを持つすべての人から強制的に集めた自動車損害賠償の積立金が、過剰な事故治療費として浪費されていると告発したのだ。 これだけでは何のことかピンと来ないので、その報道に沿って解説してみたい。 「交通事故の治療ならご相談ください」と宣伝するある接骨院は、自賠責保険金の請求審査の甘さを悪用して、治療証明書を乱発して交通事故患者を集めているという。 また別の接骨院は事故車両の修理業者などに、事故患者を紹介してくれたら最大20万円お支払いします、というチラシ配っているという。 なぜこんなことが起きるのか。 それは自賠責保険金の請求を審査するのは主に損保会社にゆだねられているからだ。 自賠責保険に加入している人の9割は統計的に任意保険にも加入している。 だから損保会社は自らの任意保険と一括して事故調査を行い、審査し、一括して自賠責と任意保険の合計額を被害者(患者)に支払う。 いったん立て替えた自賠責の支払い分を、後で国土交通省の自賠責保険積立金に請求する。 自分の腹は痛まないから接骨院の治療確認をろくに行わず請求通り接骨院に支払う。 なぜ自賠責保険積立の支払いはこんなにずさんなのか。 朝日の記事によればそれは縦割り行政にあるという。 すなわち国土交通省(運輸省)は保険会社の所管は金融庁と言い、接骨院にかかわることは厚生労働省だという。 厚生労働省は「我々が扱うのは健康保険だけだ」と逃げる。 金融庁は自賠責は国土交通省だと押し付ける。 これを要するに国はどこの省庁もまともに審査せず、すべて保険会社に任せているということだ。 そういえば、この朝日の記事は一言も触れていないが、国土交通省と金融庁の争いといえば、例の自賠責積立金流用問題がある。 すなわち金融庁の親分である財務省(大蔵省)は一般会計予算が足りないからといって自賠責積立金をの一部を召し上げ一般予算の赤字補てんに流用し、いまだにその積立金を国土交通省に返済をしていないという。 おまけに高齢化で事故が増えたから自賠責積立金が足らなくなったと言って一方的に自賠責掛け金を値上げする。 かくして自賠責保険金を強制的に徴収される一般国民は、二重、三重にその積立金を無駄遣いされている。 おそらくこのような税金の無駄遣いは至るところで放置されているに違いない。 メディアはそれを国民に教えて政治家と官僚の罪を糾弾しなければいけない。 国民は怒りをたぎらせて、納税拒否の国民運動を起こさなければいけない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新しいコメントを追加