□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月21日第248号 ■ ========================================================= 拉致問題解決策に関する飯島勲参与の意見は正しい ========================================================= 横田夫妻のモンゴル面会をきっかけに日朝間の実務者協議が急に進み始めた。 報道も大きくこれを取り上げている。 2012年11月以来中断している局長級の政府間協議を4月に開催することで課長級の非公式会議で合意されたと。 ここまでは安倍政権のシナリオ通りかもしれない。 ところがその報道をよく読んでみるといずれも拉致解決の進展には壁が厚いと懐疑的だ。 厚い壁の中身もはっきりしている。 拉致問題は解決済みと言い続けて来た北朝鮮と、拉致被害者全員の救済を公言する安倍首相との間で、どこまで進展が期待できるのか。 北朝鮮の核・ミサイルを棚上げして拉致問題解決を進める事に対する米国・韓国の警戒をどう払しょくできるかか。 これである。 実はこれこそが小泉訪朝が頓挫し、その後の日朝協議が進まなかった唯一・最大の二大論点である。 横田夫妻のモンゴル会談を見て真っ先に否定的コメントをした政府の要人が飯島勲内閣参与であった。 間違ったカードを切ったと。 いまさら実務者協議から始めても成果は期待できないと。 そう言って彼は自らお膳立てしようとした首脳同士の直談判こそ急ぐべきだと言ったのだ。 この拉致問題解決策に限っては飯島氏が断然正しい。 もはや拉致問題は一部の被害者の救済を先行させて幕引き出来る段階は過ぎた。 日朝国交正常化との包括的解決しかない。 北朝鮮による数百名ともいわれる日本国民の人命、人権を奪った拉致は紛れもない国家犯罪である。 そのような大量の人命を奪う国家犯罪が公然と行われ、かつその責任が問われないのは戦争をおいて他にはない。 そうなのである。 日朝間の拉致問題の根本解決は戦争終結のための一大交渉なのだ。 国交正常化交渉と拉致問題は講和条約交渉なのである。 そうである以上、これは米国や韓国との関係よりはるかに優先されるこよなく日本と北朝鮮との二国間の一大交渉である。 それを正しく米国、韓国に主張すれば米国や韓国が口を挟む余地はない問題だ。 しかも北朝鮮の核・ミサイル問題も日朝間が国交正常化すればおのずと解決に資することになる。 このような判断に立って拉致問題交渉を進展させられるのは金正恩総書記と日本の首相の政治指導力だけである。 残念ながら安倍首相にはその認識が感じられない。 安倍首相は19日の参院予算委員会で横田夫妻のモンゴル会談についてこ宇語ったという。 「ずっと私たちの宿題だった。一つ肩の荷がおりた思いもする・・・」 飯島勲氏をして間違ったカードを切ったと言わせたのはこの認識である。 甘い。肩の荷がおりたと感じる時は拉致問題の解決のめどが見えた時だ。 この会談実現の為に北朝鮮に借りをつくり、本格的な解決はさらに遠のいた。 そう飯島氏は言っているのだ。 そして私は飯島氏のその見方は正しいと思っている(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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