□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月20日第246号 ■ ========================================================= 日本の核物質が標的になる今度の核安保サミット ========================================================= オランダで開かれる今度の核安保サミットは安倍首相にとって日米韓首脳会談しかニュースにならないさみしいサミットになると書いた。 しかしさみしいだけではない。 日本がやり玉にあげられる厳しいサミットになるおそれがある。 その事を3月18日の毎日新聞が書いていた。 すなわち李保東中国外務省次官は3月17日の記者会見で、「日本になぜ兵器級のウランやプルトニウムがあるのか。国際社会が疑念と憂慮を抱いている」と発言し、今度の核安保サミットでこの問題を取り上げる方針を示したというのだ。 これだけを読めばまた中国の日本攻撃かと思ってしまう。 しかし日本の核物質を警戒するのは中国だけではない。 米国や英国も警戒している。 私はかつて1月27日の東京新聞のスクープを引用して書いた。 オバマ米政権が日本政府に対し冷戦時代に米国が日本に対し研究用として提供したプルトニウム約300キロの返還を求めていることが分かったと。 これは米国が日本の原発が核テロに襲われることを恐れるとともに、右傾化した日本が核兵器保有することについてこれまで以上に危険視してきた証拠だと。 日本はできるものなら引き続き保有を認めてほしいと抵抗しているようだが今度ばかりは米国は認めないだろうと書いた。 その通りになった。 3月19日の日経新聞が書いた。 核安保サミットで日米が共同声明を発表すると。 そこでは日本の研究用原子炉の使用済み燃料を米国が引き取って処分するという日米政府間契約を延長するとともに、軍事転用可能な核物質は米国への返還を進めると。 さらにきょう3月20日の朝日新聞がヒッチンズ駐日英国大使の次のような発言を書いている。 英国は積極的にそうしたいわけではないが、東日本大震災の影響で宙に浮いた再処理のための使用済み核燃料については、英国への所有権移転に応じてもいいと。 これを要するに日本が処理に困る核燃料を大量に保有し続ける事は危険すぎるということだ。 今度の核安保サミットは日本の核物質保有が国際的に危険視される場となるだろう。 安倍首相にとって厳しいサミットになる(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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