□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月20日第245号 ■ ========================================================= 米国主導で実現する日米韓首脳会談の空疎さ ========================================================= 私は3月14日のメルマガ第233号で書いた。 安倍首相が河野談話の見直し否定発言をしたのは、オランダのハーグで開かれる核安保サミットの際に日韓首脳会談を行うためのシナリオに沿ったものだと。 日韓首脳会談と言っても安倍首相の本心が変わらない限り二国間の首脳会談に朴大統領が応じるはずはなく、米国の仲介による日米韓三か国の首脳会談にならざるを得ないだろうと。 安倍首相がそれに喜んで応じるのは当然であるが、朴韓国大統領がやむなく応じるのは米国との軍事同盟関係を最優先する朴大統領がオバマ大統領の面子を潰さないためだと。 どうやらその通りのシナリオになりそうだ。 きょう3月20日の各紙が書いた。 韓国政府は19日、オランダ・ハーグで24日、25日に開かれる核安全サミットに合わせ日米韓首脳会談を開くとする米国の提案を受け入れるとの結論に達したと。 しかし3月20日の各紙は同時にまた書いている。 日本側が呼びかけていた日韓首脳会談は見送られる見通しだと。 日米韓の首脳会談が実現しても歴史認識問題など日韓の懸案には踏み込まず、短時間の顔合わせになる可能性が高いと。 これを要するに米国が引き合わせた見せかけの三カ国首脳会談というわけだ。 しかもこの空疎な三か国首脳会談の実現には更なる裏話がある。 それを発売中のサンデー毎日最新号が、鳴海崇記者の「河野談話見直し否定に関する安倍首相の二枚舌」と題して次のように書いている。 米国政府が安倍首相に対し、オバマ大統領の4月訪日のとり止めをちらつかせてオランダの核サミットまでに河野談話見直し否定を行えと命じたと。 なるほど。そういう舞台裏があったのだ。 そこまで言われれば安倍首相には選択の余地はない。 河野談話見直し否定国会答弁は米国に言わされたのだ。 内輪では自分の歴史認識は間違っていないとと言い張っているに違いない。 そんな二枚舌で日韓関係が改善できるはずがないと鳴海記者は言っているのだ。 もちろん朴大統領もそれは見透かしている。 今度の核サミットではウクライナ問題や核テロ防止対策など重要な問題が議論されることになっている。 しかしいずれも安倍首相の出る幕はない。 本来ならプーチン大統領との6度目の首脳会談を宣伝するはずだったのがプーチン大統領は欠席することになった。 かくて安倍首相にとっての唯一、最大のニュースが米国がおぜん立てした日米韓首脳会談というのであるから、今度の安倍首相の核安保サミットは喜び勇んでいく外遊どころか、気の思い敗北外交旅行になる。 同行記者たちは提灯記事を書こうにも書けない外遊になる(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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