□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月15日第234号 ■ ========================================================= 自民党が国民投票法改正案に歩み寄った理由 ========================================================= ここにきて急に国民投票法改正案が今国会で成立する見通しが出て来た。 きょう3月15日の各紙が一斉にそれを報じている。 その理由は自民党が従来の方針を変えたからだ。 自民党は公務員が組織的に改憲阻止の投票活動を行う事に警戒感を抱き、それを禁止する規定を盛り込むことを主張してきた。 支持母体が自治労の民主党はこれに反発し禁止規定の削除を要求してきた。 ここにきて自民党が譲歩してまで改正案の成立に舵を切った。 さらに自民党は、それまで慎重であった国民投票の年齢の18歳への引き下げや、選挙権の引き下げさえも、それを認めるようになった。 なぜここにきて自民党は譲歩してまで国民投票法の改正を急ぐようになったのか。 その鍵は東京都知事選の投票結果にある。 すなわち今度の東京都知事選によって若年層の保守化がわかった。 若者の多くが田母神氏へ投票した事がわかった。 投票年齢を若くすればするほど憲法9条否定論者が増えるに違いないと自民党は気づいたのだ。 私は国民投票法が散々議論さえれた時、投票年齢の引き下げに一貫して反対の立場をとり、それを訴えた。 若者ほど歴史に疎く、従って改憲論者が増えるから、国民投票法の年齢引き下げは護憲の観点からは好ましくないと。 その事に自民党がやっと気づいたということだ。 もはや安倍首相は解釈改憲にこだわる必要がなくなるかもしれない。 憲法9条を変えたいなら堂々と憲法改正を行ってやるべきだと解釈改憲反対論者は言う。 これに対し憲法改正はハードルが高いと言って安倍首相は解釈改憲を急ぐ。 しかし少なくとも最後の砦である国民投票では、今度の改正案の成立によって過半数の賛成が得られる事はほぼ確実になるだろう。 安倍首相に知恵が働くなら、国会議員の三分の二を確保さえすれば改憲が限りなく近くなることに気づくはずだ。 祖父岸信介が成し遂げられなかった憲法9条改正を自らの手で行う事がかなり現実的になることがわかるはずだ。 国民投票法改正案の今国会における成立は、護憲派にとっては深刻な問題なのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新しいコメントを追加