□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月13日第228号 ■ ========================================================= 核サミット出席の為に日韓首脳会談を急ぐ本末転倒 ========================================================= 斎木昭隆外務次官がまた小僧の使い走りのような真似をした。 日韓首脳会談の早期実現に向けて韓国側と話し合うはずが、肝心の大統領関係者から面会を断られ、やむなくて日程を切り上げて急きょ帰国したという。 よくもこのような場当たり的な外交を平気で行って恥じないものだ。 かつての外務省ならこのような子どもの使い走りのようなことしなかった。 少なくとも外務事務次官がこのような恥さらしを行うことはなかった。 なにしろ米国が安倍首相と会ってやれと要請を繰り返しても応じない朴大統領だ。 そしてそれには合理的理由がある。 安倍首相がその間違った歴史認識を改めない限り、たとえ首脳会談を行っても、無意味であるばかりでなく言い合いになるだけだ。 そんな首脳会談を行っては、自国の国民に非難されるだけだ。 そう言って安倍首相との首脳会談を固辞されれば、さすがの米国もそれ以上朴大統領に安倍首相との会談の応じろとは迫れない。 朴大統領の言い分がもっともだからだ。 米国も安倍首相の歴史認識は間違っていると思っているからだ。 日本の外務官僚たちがそのことをわからないはずがない。 しかし斎木昭隆氏は安倍首相に気に入られて次官にさせてもらった手前、なんとかしろと言われれば韓国に行ってお願いするしかない。 見通しも何もないまま、命じられるままに訪韓し、やはりだめでしたということだ。 まともな外交ではない 斎木次官の今回の訪韓は、官僚が安倍首相におもねる内政の姿そのものである。 それにしてもここにきてなぜそれほど安倍首相は日韓首脳会談を急ぐのか。 ついこの間までは、こちらが譲歩してまで無理をして会う必要はないとあれだけ勇ましい事を言っていたというのに。 もちろんそれは米国の強い要請があるからだ。 しかし4月末のオバマ大統領の訪日までまだ一か月もある。 なぜ急ぐか。 それは3月24日、25日にオランダのハーグで開かれる核安全保障サミットに何としてでも出席したいからだ。 出席する以上はそこで日韓首脳会談が出来ないと不都合になるからだ。 何が不都合かと言えば、安倍首相の出る幕はない。 それどころか、原発事故処理は大丈夫かと世界から懸念され、オバマ大統領からは核物質がテロの手に渡る危険性をなくせと迫られる。 そんなサミットなら行くな、国会審議を優先しろとなる。 それでもサミットには出席したいのが「地球儀俯瞰外交」という名の安倍首相の外遊である。 サミットの際に日韓首脳会談ができると事前に調整がつけば、それだけで立派な名目が立つ。 つまりサミットに行きたいがための日韓首脳会談の早期実現なのである。 なるほど3月下旬の核サミット出席のためなら急ぐはずだ。 しかし見事に断られた。 安倍首相がその歴史認識を根本的に改めないかぎり日韓首脳会談の実現は不可能であることはもはや自明だ。 安倍首相は自らの歴史認識は間違っていたと認めて、封印するしかない。 それが出来ないのならさっさと日本の首相の座から降りることだ。 心配ない。面子を失わずに首相を辞める方法は、「健康上の理由」とか、いくらでもある(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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