□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月10日第224号 ■ ========================================================= 谷内正太郎NSC局長は1年で辞めると書いた月刊文芸春秋 ========================================================= きょう3月10日発売の月刊文芸春秋の人事ゴシップ欄「霞が関コンフィデンシャル」に、就任したばかりの谷内正太郎日本版NSC(国家安全保障会議)局長の後任探しが難航しているという記事があった。 これには驚いた。 鳴り物入りでつくられた国家安全保障会議である。 そしてその初代局長にはこの人物しかいないと安倍首相に三顧の礼をもって迎え入れられた初代事務局長である。 日本版NSCが軌道に乗るまで重責を果たすというのならともかく、1年で辞めるというのは尋常ではない。 しかし、1年で辞めることはもはや既定方針と見えて、その霞が関コンフィデンシャルの記事は、もっぱら谷内氏の後任者の人選の事ばかり書いている。 これを要するに谷内氏の1年以内の辞任は間違いないということだ。 それは私にとって意外だ。 しかし、そう書かれてみれば、なるほど、あり得ることだと思う。 繰り返し書いて来た通り、安倍外交は最大の危機に直面している。 その誤った歴史認識の故に中国や韓国との関係を安倍首相の手で解決することはもはや不可能だ。 それよりも深刻なのは、オバマ政権が安倍首相に対する信頼を失ってしまったようだだ。 そんな安倍首相が、自らを反省して大きく方向転換をしない限り、政治的に何の影響力も人脈も持たない官僚OBの谷内氏が、いくら世界を駆け巡っても小僧の使いでしかない。 安倍外交を立て直す事など無理だ。 幸いにも谷内氏には1年で辞める口実がある。 固辞していたが安倍首相のたっての頼みで引き受けた。 1年だけは何とか務めるが、その後は年齢的にも体力的にも辞めさせてもらうと言う条件で引き受けたのだ、と言える。 安倍外交を立て直す事が出来なかったという汚名をかぶって辞めざるを得なくなる前に、惜しまれて辞めたほうが賢明だというわけだ。 しかも霞が関コンフィデンシャルの記事が書いている事は、谷内氏の後任者に適当な人物が見当たらないという事である。 それほど谷内氏は余人をもって代えがたい人物であったという評判を残せる。 かくして谷内氏にしてみれば1年で辞めることは好都合なのだ。、 しかし後に残された国家安全保障会議の80名余の官僚たちは立場がなくなる。 日本版NSCははやばやと死に体となり、やがて安倍首相の退陣とともに有名無実化する。 それでも事務局勤務を命じられた官僚たちは定期異動までとどまらなければならない。 飼い殺しのままだ。 それを私は日本版NSCの前身である内閣安全保障会議の事務局の一員として嫌というほど目撃してきた。 壮大な税金の無駄遣いだ。 あの時も今も何も変わらないということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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