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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

もっと注目されてもいい「家庭向け電力自由化」
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2014年3月5日第212号 ■     =========================================================     もっと注目されてもいい「家庭向け電力自由化」   =========================================================  自民党が家庭向け電力小売りへの新規参入を全面自由化する電気事業法の改正案を了承したというニュースが流れたのは2月22日であった。  これは画期的な事ではないのか。  脱原発に反対する理由のひとつとして、企業の経済活動に悪影響を及ぼすということがよく指摘される。  経済成長を妨げるというのも同じ理由だ。  しかし個人需要は企業の経済活動や経済発展とは無関係だ。  もし家庭向け電力供給だけでも自由化され、電力料金の低下が進めば消費者は救われる。  少しくらい高くても自然エネルギーによる電力供給を求める消費者が増えれば、おのずと脱原発が進む。  なによりも電力供給独占に甘んじてコストを消費者に当たり前のように転嫁する電力会社の不当さが許されなくなる。  いいことづくめだ。  だからこそ電力業界やその庇護者である経済産業省が電力自由化を拒んできたのではなかったか。  それがとうとう政府が家庭向け電力の自由化に踏み切るというのだ。  当時の報道(2月22日毎日)によればこうだ。  政府は与党の了解を得たうえで今月中(2月中)に電気事業法改正案を国会に提出する。  会期内に成立すれば2016年中に自由化され、戦後60年にわたる大手電力の地域独占を崩す「電力システム改革」が本格始動する。  新規参入が相次げばこれまで特定の電力会社からしか電気を買えなかった消費者は自由に契約先を選べるようになる。電力会社間の顧客の奪い合いによって、料金引き下げが促される可能性がある。  いいことばかりだ。  しかし、この家庭向け電力自由化については、その後ほとんど報じられることはない。  不思議に思っていたらきょう3月5日の日経が社説で要旨次のように書いた。  気をつけなければならないのは、制度上は自由化しても実際には参入は進まず、消費者が既存の電力会社から買わざるを得ない「規制なき独占」に陥ることだ、と。  新規事業者の間では、送電線の利用が割り高で利用するための条件が厳しいとの不満がある、と。  そう書いた上で日経のその社説は、電力自由化を現実のものにする制度設計こそ急がれる、と書いている。  なるほど、自民党の電気事業法改正案では不十分だというわけだ。  しかし、ここまで踏み切ったのである。  ここまで日経新聞に指摘されてしまったのである。  いまさら経産省は姑息な事をできないだろう。  メディアは家庭向け電力自由化についてどんどんと報じ、国民の認識を深めさせるべきだ。  電力自由化はもはや逆戻りできないように監視すべきである。  家庭向け電力自由化こそ脱原発につながる最善の政策のひとつとなるようにしなければいけない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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