□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月5日第211号 ■ ========================================================= それでもなくならないビットコインと通貨革命への期待 ========================================================= マウントゴックスの経営破たんによって暴落したビットコインの相場が再び上昇しているという(3月5日産経) あのような事が起これば普通ならとっくに終わっていると思われるビットコインのこの強さは何か。 それはもちろん投機性だろう。 しかし、投機による不健全なペーパーマネーの動きは、なにもビットコインに限らない。 すでに米国発の行き過ぎた金融資本主義によって世界中に横行して久しい。 しかもその主体は国家権力であり、大手金融会社だ。 この巨大な金融資本主義が世界を不健全な形で支配している事を我々は知っている。 もしビットコインが形を変えて健全な形で発展していくとすればどうだろう。 私の念頭にあるその意味は、ビットコインなるものが投機の対象ではなく、純粋な決済通貨に限ったものとして確立していくということだ。 しかも日常生活に関するきわめて少額の商品やサービスの決済通貨として。 インターネットを通じて世界中の商品やサービスの決済がビットコインで自由にできる世の中を考えてみればいい。 その時、その時の相場でビットコインと換算される自国通貨で支払えば、その見返りにあらゆるサービスや商品が得られる。 純粋に少額の決済に使われるなら、たとえ不都合が起きてもその被害は取るに足らないもので終わる。 そのうちに不都合を防ぐシステムが確立し、当たり前のように決済ができるようになる。 これこそが世界を根本的に揺るがす本物の通貨革命になるのではないか。 国家権力の根源が音を立てて崩れ去っていくのではないか。 麻生財務大臣が、あんなのは最初からうまくいくはずがないと思っていた、と一蹴したのは、金融資本主義という権力の源泉を失う事を恐れる財務官僚の本音ではないのか。 そう思っていたらきょう3月5日の朝日新聞が「けいざい新語」という特集記事で、書いていた。 国境を超えて自由に取引できるコインは、世界の共通通貨として使われる基軸通貨を揺さぶる「グローバル通貨」になる可能性を秘めていると。 マウントゴックスのような投機目的の仲介者が介在する形ではなく、貨幣発行権を市民の手に取り戻すという確固とした政治意志を持った正しい者たちによってビットコインが生まれ変われば、やがてもう一つの世界通貨として確立するようになる日が来るかもしれない。 その決め手は、少額の取引に限った、既存通貨システムより簡便で無駄なコストがかからない廉価性だにある。 それが可能ならリスクをまさるメリットがあるからたちまち広がる。 広がれば広がるほどリスクがなくなっていく。 私の夢想に過ぎないのだろうか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)