□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年3月3日第207号 ■ ========================================================= 「キャロライン大使の召還もある」と書いた週刊ポスト ========================================================= きょう3月3日発米の週刊ポスト最新号(3月14日号)に「日米同盟は戦後最悪」と題する安倍政権に下における日米関係の特集記事がある。 これは私がこのメルマガで書いて来た安倍政権の対米外交批判の主要テーマをほとんどそのまま網羅的に書いた特集記事だ。 だからというわけではないが、この週刊ポストの特集記事は一読に値する。 米国がつくり日本が受け入れたサンフランシスコ講和体制の否定から始まって、米国は民主党政権だから反日だなどという内政干渉発言、靖国参拝にこだわって中国を有利な状態にさせた利敵行為、最終段階におけるTPP交渉に対する非協力的態度、さらにはプーチン大統領との関係を優先する裏切り外交など、すべてがオバマ政権にとっては安倍不信につながる最悪外交だと書いている。 その中でも「キャロライン大使の召還もある」と書いた次のくだりは説得的だ。 「このままではキャロライン氏の失点にもなりかねない・・・ケネディ家への冒涜が世界中に喧伝されてしまう、と外務省幹部は非常に心配している・・・」 私はかつて安倍首相が辞めるかケネディ大使が辞めるかどっちが先だという事になってきたと冗談交じりに書いたが、その通りになりつつあるということだ。 そしてこの週刊ポストの記事で私がもっとも注目したくだりは中国政府当局者が次のように述べていると書いているくだりだ。 すなわち、安倍首相の靖国参拝は明らかに中国にとって「助け舟」だ。靖国参拝以降中国政府が比較的おとなしいのは米国側の非難が激しいからだ、と。 まさしく、かつて環球時報で述べていたごとく、中国はお茶をすすりながら安倍首相の出方を高みで見物しているのだ。 そしてその中国政府当局者は、米国は日本を見捨てる事はないと見ている。 私もそう思う。 しかしそれは裏を返せばすべて安倍首相の今後の対応いかんであるということだ。 安倍首相の対応いかんでは米国は安倍首相を見捨てる時が来る。 中国はみずから手を下さなくても安倍首相の歴史認識を批判してれば米国が安倍政権を見捨ててくれると言っているのだ。 そしてそれは4月の訪米の時ではない。 その時の安倍首相の対応を見た上で、11月に北京で開かれるAPEC首脳会談までに米国はその決断を下すことになる。 きょう3月3日の読売新聞もついに書いた。 中国は中間選挙を控えるオバマ大統領に配慮して北京で開くAPEC首脳会談の日程を11月10、11日に決めたと。 APECに合わせて習近平国家主席とオバマ大統領の首脳会談を実現させ、「新しいタイプの大国関係」を印象づけたい考えだと。 APECに合わせて習近平主席と首脳会談ができるかどうかが最大の問題となっているような安倍外交は、中国の対米外交の足元にはるか及ばない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)