□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月9日第135号 ■ ========================================================= 軍事協力に傾斜して日米関係をつなぎとめようとする安倍外交 =========================================================== 安倍首相の小僧の使いのように訪米して米国をつなぎとめようとする岸田外相。 しかし、オバマ大統領の4月の訪日については日程確定ができず、日韓関係についてはあらためて改善努力を求められる始末だ。 靖国参拝問題に至っては、もうこの話はしても無駄だと言わんばかりに米国は話題にもしなかったという。 そんな中でやたらにメディアが今度の防米の合意事項として報じることがある。 それは軍事協力の分野である。 中国の防空識別圏設定について、あらためて許容できないという立場でケリー国務長官と一致したとか、北朝鮮情勢への対処方針を共有したとか、普天間基地移設に向けた在日米軍基地内の環境調査を行うための新たな日米地位協定の交渉開始の合意などがそれだ。 しかも今度の訪米時には外相でありながらヘーゲル国防長官とまで会談し、普天間基地移設の着実な推進を確約している(2月9日産経)。 もはや外務省と防衛省は権限争いをする余裕もなくそろって米国防総省との関係を強化しようとしているがごときだ。 なぜここにきて急に軍事協力分野での協力ばかりが目立つのか。 それはいまや不信感を持って見られるようになった安倍政権としては、軍事協力分野が唯一米国の関心をつなぎとめられる分野となってしまったからだ。 国防省や米軍幹部は日米同盟からもっとも裨益している米国内の勢力だ。 中国や北朝鮮の軍事脅威については常に警戒的である。 だから日米軍事協力を進める上で日本は手放せない。 こうして安倍政権はどんどんと米国軍や国防総省を重視することになる。 安倍首相が格下の米太平洋軍のロックリア司令官を官邸に迎えて米軍と自衛隊の協力強化を確認した(2月3日)のも、国会答弁で集団的自衛権行使の解釈改憲実現を急ぐのも、日米軍事協力を強化して日米関係をつなぎとめようとするからだ。 しかし、オバマ政権内で外交政策に影響力を持つライス大統領補佐官(国家安全保障担当)は中国との関係を重視し、中国の防空識別圏批判を一切口にしなかったという(2月9日読売)。 安倍外交はどんどんと対米外交の幅を狭める愚を犯している(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)