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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

ソチ五輪開会式に見る習近平主席と安倍首相の胆力の違い
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2014年2月9日第134号 ■     =========================================================    ソチ五輪開会式に見る習近平主席と安倍首相の胆力の違い      ===========================================================  安倍首相のソチ五輪出席と首脳会談をめぐるきょう2月9日の各紙の記事は決まり文句で埋め尽くされている。  すなわち、欧米諸国の首脳が欠席するなかであえて急きょ出席を決めた安倍首相の狙いは、プーチン大統領との個人的信頼関係をさらに強固なものにして北方領土問題の進展を図ろうとするものである。しかしその交渉は楽観を許さない、と。  これは日ロ関係についてはほとんど何も書いていないことと同じだ。  しかし今度の安倍首相の五輪出席に際してはもう一つの隠れた重要なテーマがある。  それは歴史認識をめぐる習近平主席との攻防である。  その事について象徴的な記事を見つけた。  すなわち朝日新聞は、開会式に見せた習近平主席と安倍首相の態度の違いを観察したつぎのような興味深い記事を掲載している。  「・・・二人は貴賓席中央のプーチン大統領を挟んで40席ほど離れた場所に座った。声を掛け合うような機会はなかった。二人は選手の入場行進でも対照的な姿を見せた。習近平氏は中国と香港の選手団の入場の際には立ち上がって手を振って激励。台湾選手団の入場時には座ったまま拍手を送った。ところが日本の入場がアナウンスされると、硬い表情で両手を膝の上に重ねたまま、身動き一つしなかった。一方、安倍首相は、中国選手団の入場の際も拍手を送っていた・・・」  この描写をどのように理解すればいいのか。  中国の選手団が入場してきた時に安倍首相が拍手をするというのは礼儀にかなう態度だろう。  私でもそうするだろう。  それに加え、安倍首相としてみれば、中国との関係改善を日本は閉ざしていないというメッセージを送る意味もあるかもしれない。  しかし、習近平主席は違う。  安倍首相がその誤った歴史認識を改めない限り中国側から歩み寄る事はない。  それどころか安倍首相が歴史認識を改めるまで徹底的に安倍首相と対峙していく。  こう言っているのだ。  たとえ日本国民を敵に回しても構わない。  間違った歴史認識を主唱する安倍首相を許す日本国民もまた中国の敵だ。  日本選手団に拍手をしない事はそのメッセージだと言っているのである。  これはかつて中国の指導者が、悪いのは対中戦争を始めた日本の軍国主義であった日本国民もまたその犠牲者だ、と言って頃の中国とは様変わりだ。  このような習近平主席の胆力の前に、安倍首相もそれに負けない胆力が必要だということだ。  それがないと習近平主席いの相手にならない。  自らの歴史認識を貫き、それを批判する中国政府や中国国民を敵に回しても譲らないという胆力か、それとも歴史認識の誤りを認めて中国との関係改善に踏み出す胆力か。  いずれにしても安倍首相の胆力が試されている時だ。  習近平主席に勝てる正しい胆力とは、もちろん後者である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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