□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年2月10日第136号 ■ ========================================================= 政局はこれから激動する =========================================================== 東京都知事選が終盤に入って舛添候補の勝利がほぼ確実と報じられはじめた頃、たて続けにいくつかの週刊誌から東京都知事選の見通しについてのコメントが求められた。 その時書いたものを以下に貼り付けたい。 それは選挙の結果が判明する前に書いたものだが今読んでもほとんど手を加える必要はない。 私はこのメルマガでも繰り返し書いて来た。 細川候補が勝てば安倍自民党政権は即死するが、舛添候補が勝っても安倍自民党政権の強化につながらない、安倍政権の抱え課題は何一つ解決しないと。 細川候補が負けても細川・小泉連合の脱原発活動は続くが、舛添候補が負けたらすべてが終わると。 つまり今度の舛添候補の勝利は安倍自民党政権にとって絶対に負けられなかった選挙であった。 舛添候補の勝利はその最低限の関門をクリアしたに過ぎず、ここから安倍自民党政権の試練が本格的に始まるのである。 今度は都知事選と違って長丁場だ。 いくらメディアが政権と二人三脚でタッグを組んで国民をだまそうとしても、いずれ行き詰まる。 もちろん細川・小泉連合も、このままの体制では不十分である。本気になって権力取りに動かなければいけない。 そのカギを握るのは小沢一郎と小泉進次郎である(了) 今度の東京都知事選の正しい評価 今度の東京都知事選は安倍自民党政権が猪瀬知事をスキャンダルで辞任に追い込み、自らに都合のいい都知事にすげ替えて東京五輪を思うように運ぼうとしたものだった。 野党に有力な候補がいない中で、これほど盛り上がらない都知事選挙はなかった。 そんな中で脱原発を唱える細川・小泉元首相連合が安倍政権に異議を唱える形で登場し、がぜん東京都知事選が面白くなった。 脱原発で小泉劇場が起き、細川知事が誕生すれば、間違いなく国政を揺さぶる政局になる可能性が高まる。 だからこそ安倍自民党政権はこれ以上ない危機感を抱いた。 大手メディアと結託した細川・小泉潰しは誰の目にもわかるほど露骨で異例なものだった。初めは細川元首相の過去の政治資金疑惑を囃し立て、それが不十分と分かれば今度は一転して細川・小泉隠しに走った。 それでも、小泉元首相の、「3・11によって原発を推進した自分は間違っていた」という素直な反省と明確な脱原発宣言の連呼によって脱原発を願う有権者が動けば、小泉劇場は起きた可能性があった。 しかし、脱原発派の一本化はかなわず、それどころか最後まで足の引っ張り合いが続いた。 こうして細川・小泉の反乱は不発に終わったが、しかし私は日本の脱原発に向けた政治的動きはこれからが本格的になると確信している。 その理由は極めて明白だ。 脱原発を願う都民の多くは細川・小泉連合を支持した。 脱原発は、いわゆる左翼が主導する限りは実現は出来ない。 細川・小泉両元首相のようなかつての権力者の中から、脱原発を進めようとする巨大な権力に対抗する有力者が出てきてはじめて国民的運動に発展するのだ。 細川・小泉元首相の脱原発の思いは物である。 そして脱原発の動きの正しさはこれからますます証明されていく。 なぜならば放射能汚染水のコントロールが出来ないまま、福島原発事故の諸問題はこれからが深刻になっていくからである。 そしてそれは安倍自民党政権とその官僚たちでは対応できない。 それは東京五輪の開催さえも危うくするだろう。 我が国の原発政策の根本的見直しが避けられなくなるのは時間の問題である。 その時こそ、細川・小泉元両首相の脱原発を掲げた政治運動は、脱原発新党となって安倍自民党政権に政権交代を迫る一大政局に発展するに違いない。 今度の東京都知事選の細川・小泉連合の敗北は、日本が脱原発に向かう出発点であるととらえるべきである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)