□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年1月28日第97号 ■ ========================================================= 朝鮮総連ビル落札問題と日朝極秘協議をつなぐもの =========================================================== 私は1月16日のメルマガ第47号で書いた。1月23日に下される朝鮮総連ビルの決定に注目すべきだと。 そして1月23日が来て東京地裁は予想通り売却不許可の決定を下し、翌日の1月24日の各紙はこれをこぞって報道した。 その記事を見て私は思った。 不許可の理由はモンゴル企業が提出した書類が原本ではなくコピーだったからだという。 なぜこんな、誰でもすぐわかる理由の為に決定が2か月以上も遅れたのか。 そこには決定を引き延ばさざるを得ない政治的理由があったのだ。 そして東京地裁の不許可の決定を報じる各紙は当然のように次のように書いていた。 次の応札は4月ごろに行われると。 なぜすぐに次の落札が言われるのか。 これを要するに朝鮮総連ビルの落札問題は、朝鮮総連にその物件を貸すことのできる適切な落札者が現れるまで繰り返されるということだ。 それまで朝鮮総連の在日北朝鮮大使館としての機能は黙認されるということだ。 北朝鮮に対して厳しい姿勢をとる安倍政権下で、なぜこのような北朝鮮に対する温情的な事が許されているのか。 それは安倍政権が自らの手で拉致問題を解決すると大見得を切っている以上、北朝鮮との関係を断ち切ることは出来ないからだ。 そう思っていたらきょう1月28日の東京新聞と朝日新聞が衝撃的なスクープ記事を掲載した。 すなわち1月25日と26日、日本と北朝鮮の両政府当局者がベトナムの首都ハノイで極秘協議を行っていたというニュースだ。 まさしく安倍政権は北朝鮮との関係を維持しようとしているのだ。 それは張成沢処刑が起き、北朝鮮の体制が独裁的になっても変わらない。 北朝鮮との交渉は必要であり、そのための在日北朝鮮大使館としての機能を有する朝鮮総連との関係を維持することは不可欠なのだ。 断っておくが私はこの日本政府や外務省の方針を批判しているのではない。 それどころか支持する。 北朝鮮との正常化交渉は日本外交の最重要課題であると考えるからだ。 拉致問題の根本的解決は北朝鮮との国交正常化交渉と一体化して行われなければ不可能であることを私は何度も主張してきた。 問題は、朝鮮総連ビルの落札問題にしても、北朝鮮との交渉にしても、それを政府や外務省が国民にかくして極秘に行おうとしている事である。 交渉の過程ではその成功に向けて一時的に極秘裏に行わなければならない時もある。 しかし、交渉成功の目途もない中で、安倍政権や外務省が自らの手柄や功名心のために一切を国民から隠して行うところに大きな誤りがある。 あらゆる外交がそうであるが、特に北朝鮮外交は、もはや政府や外務省だけが隠れて交渉して解決できるものではない。 堂々と国民に知らせ、国民の理解を得て進めるほかはない。 安倍政権や外務省に欠けているのはまさしくこの基本姿勢である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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