□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月14日第346号 ■ ============================================================== 外務官僚の操り人形である岸田外相の嘆き ============================================================== 私はかねてから見抜いていたのだが、おそらく岸田外相ほど外務官僚にとって都合がいい無能政治家はいないに違いない。 これまでも外務官僚の操り人形のような政治家が外相になった事はあった。 しかし岸田文雄外相ほど外務官僚に従順な外相は近年まれであると思う。 その岸田外相が5月13日、東京都内の講演で中国や韓国との関係について「いろいろな動きがある中で四苦八苦している」と語ったらしい。きょう5月14日の毎日新聞が一段の小さな記事で書いていた。 私はその記事に注目した。 これは岸田外相の本音であるとともに今の外務官僚の嘆きだ。 おそらく日本と中国、韓国との関係の停滞は、報道で聞かされているよりもはるかに深刻であるに違いない。 しかもそれに対して日本は打つ手がないのだ。 その一例を私はきょう5月14日の読売新聞の記事に見つけた。 すなわちその記事は要旨次のように書いている。 今年6月末に韓国政府がソウルで米国や中国の外交担当者を招いたセミナーを予定しているという。 しかしそのセミナーに日本政府の出席要請はないというのだ。 それに対し日本政府は近く関係国に不快感を伝達するという。 私はまさかそのようなセミナーが行なわれるとは思わない。 なぜならばもし日本政府が自分たちも参加させてくれと韓国政府に頼み、それでも韓国政府が参加させないということは、外交的にありえないと思うからだ。 そんな事をすれば韓国政府は日本政府に敵対するようなものだ。 平時の外交関係では考えられないことである。 そしてもし日本政府が米国に対し、「米中韓だけのセミナーを韓国が開く事は認められないので、韓国政府に日本を参加させよ、さもなければそのようなセミナーをボイコットする」と言ってくれと本気で頼むなら、米国は日本の要請を聞き入れてくれるはずだと思うからだ。 先般のオバマ・朴会談でもオバマ大統領は日米韓三ヶ国の連携の重要性を訴えていた。 それこそが日米同盟を唱える米国であるからだ。 それにも関わらず、万が一このまま事態が推移し、6月末のセミナーが本当に日本不参加のままで開かれる事になれば、その時こそ日本外交は最大の屈辱を味わうことになる。 あってはならない日本外交の失墜ということになる。 しかし、ひょっとしてそのあり得ない事が起こりうるかもしれないと私は、岸田外相の「四苦八苦している」発言を知って思い浮かべた。 それほど日本外交は行き詰まっているのかもしれない。 そしてその日本外交の行き詰まりは、そっくりそのまま岸田文雄という政治家の器量のなさを自ら認めているようなものだ。 外務官僚任せの外交など上手く行くはずがない。 今の日本と中国・韓国との関係打開は外務官僚では出来ない。 だからこそ岸田外相の政治指導力が問われるのだ。 その外相が「四苦八苦している」などという言葉を吐く時点で、岸田外相は外務官僚の言いなりに終始して来た事を証明しているようなものである。 このまま行けば文字通り日本外交に打つ手はない(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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