□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月14日第345号 ■ ============================================================== 「フクシマから学んだ」メルケル独首相と「学ばなかった」菅首相 ============================================================== 原発維持派だったドイツのメルケル首相が、福島原発事故を目撃して一転脱原発に舵を切った。 この事は当時の報道で皆知っている事だ。 しかし、その当時のドイツ政権内部の状況を描いたきょう5月14日の毎日新聞「メルケルの闘い 第一回」を読んで、あらためてメルケル首相の決断の見事さを知った。 彼女は格好よく決断したのではない。 迷い、パニックになり、反対される中で、それでも「フクシマから学び私は従来の意見を変えた」のである。 それが格好いいのだ。 そこで思い出されるのがわが国の菅首相である。 彼は福島原発事故を起こした日本の首相だった。 もしあの時彼が脱原発に舵を切り、それに向かってあらゆる政策を決断していたなら、誰もそれに反対はできなかったはずだ。 今頃は脱原発が国是となり、被ばく者救済も、放射線封じ込めも、廃炉も、新エネルギー開発も、東電の解体も、何もかも統一的に進められていたに違いない。 政権が自民党に変わっても、もはやその流れは止められなかっただろう。 そんな事をすれば国民から袋叩きにあうに違いない。 菅首相の責任は多々ある。 しかしその最大の責任は、原発事故当時の首相として脱原発の政治決断を下さなかったことであると思う。 そして今になって脱原発を自己宣伝の具にして恥じないあつかましさだ。 メルケル首相の決断がなおさら輝いて見えるのである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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