□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月14日第344号 ■ ============================================================== 橋下暴言よりも深刻な高市発言 ============================================================== とうとう橋下徹大阪市長が致命的な暴言を吐いてしまった。慰安婦制度に関するもろもろの発言のことである。 その一つ一つについての国民の受け止め方は人によって様々だろう。 しかし、公職にある者があのような発言をしてはいけない。 まして国政に進出しようとする政党の代表である。 これで橋下氏の参院選出馬は完全になくなった。 日本維新の会は終った。 しかし、橋下暴言よりももっと深刻な発言がある。 それは高市早苗自民党政調会長の村山談話を否定する発言である。 すなわち高市氏は12日記者団に対しアジアへの植民地支配と侵略に反省とおわびを表明した村山談話について「しっくりきていない」などという言葉で疑義を呈した。 私が驚いたのは、高市氏が菅官房長官から注意を受けた後も「個人的見解は変わらない」と繰り返していることだ(5月14日朝日)。 すでに何度も指摘しているとおり、安倍政権の最大の弱点はその歴史認識にあり、ついに米国議会報告書から米国の国益を害するとまで言われるようになった。 これは歴代の自民党政権ではじめての前代未聞の出来事だ。 その事はいくら強調しても強調し過ぎる事はない。 外務省や安倍政権はことさらに冷静を装っているが、その裏で、あわてて歴史問題の幕引きを図ろうとしている(5月14日読売)。 国民栄誉賞授賞パフォーマンスで背番号96のユニフォームを着てまでして、みずから参院選の争点にすると公言した憲法96条改正さえも、あっさりと引っ込める情けなさだ。 そんな必死の沈静化の中で、政調会長という要職にある高市氏が閣内不一致発言を繰り返しているのである。 それを任命したのは安部首相である。 本来ならば即刻、内閣総辞職だ しかしメディアが安倍政権を守ろうと躍起になっている。 なんといっても安倍政権に変わる政権が見当たらない野党の体たらくだ。 このまま安倍政権は続いていくだろう。 ここに今の日本の政治の救い難さがある。 それを許す国民ともども、日本はもはや米国だけでなく、世界中からあきれ返った目で見られているに違いない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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