□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年5月12日第340号 ■ ============================================================== TPPを容認すると言い出した万歳全中会長 ============================================================== きょう5月12日の朝日新聞は、万歳章全国農業協同組合中央会(全中)会長が朝日とのインタビューの中でTPPのコメ関税引き下げ容認を示唆した、という注目すべき記事を掲げた。 インタビュー内容を読む限りでは「コメなど農産物の関税撤廃は受け入れない」として反対姿勢を崩していないが、その一方で「(撤廃ではなく)引き下げになるかもしれないと予想している」などと述べている。 これを引用して朝日は「関税率の一定引き下げは容認できる考えを示唆した」と書いている。 朝日がそういう印象を持ったという事は、もはや全中はTPP断固反対ではなく、安倍政権側と条件闘争に入ったということだ。 私は今後はTPP反対運動は急速に弱まっていくような気がする。 なぜ私がそう思うか。 そもそもTPPの本当に深刻な問題は、コメや国内産業が打撃を受けるという関税引き下げ問題ではない。 TPPに参加すれば、日本の構造が米国に都合のいいように、米国業界の政治的圧力や、訴訟などの司法的手段で、圧力を通じて変えられることにある。 ちなみにきょう5月12日の朝日新聞はG7財務省・中央銀行総裁会議を報じる記事の中で次のような重大な事をさりげなく報じている。 「・・・米国が期待するのは、日本で消費や投資が盛り上がり、米国からの輸出が増えることだ。米政府高官は『TPP(の日本)参加をてこに、構造改革を進めることが日本に必要だ』と求める・・・」 これが米国の本音であり、だからこそ日本はTPPに参加してはいけないのだ。 ところが国内政治(選挙)との関係で農産品の関税撤廃、引き上げばかりが注目され、政治的には全中の反対運動が大きな影響力を持ってきた。 ここにTPP反対運動が国民的に広がらなかった理由があり、全中が譲歩すればTPP反対運動が尻すぼみになる危険性があるのだ。 TPP反対運動の動向から目が離せない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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