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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

天賦人権説を改めようとする自民党改憲論の自己矛盾 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年4月2日第236号 ■   ==============================================================      天賦人権説を改めようとする自民党改憲論の自己矛盾       ==============================================================  日本維新の会の憲法観をこき下ろしたついでに自民党の改憲案についても異論を唱えておく。  自民党の改憲案にも異論は多くある。  しかしきょう4月2日の東京新聞で喜田村洋一という弁護士が書いていた「天賦人権を否定する自民改憲『Q&A』」という論説は鋭い。  私は知らなかったのだが、自民党は憲法改正に向けて「改憲Q&A」なるものを発行して国民を「啓蒙」しているらしい。  その中で、「現行憲法の規定の中には、西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われているものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えました」と述べている箇所があるという。  これに対し喜田村弁護士は次のように反論している。  すなわち日本が主権回復と国際復帰を果たしたサンフランシスコ講和条約は、その前文で、日本国は「世界人権宣言の目的を実現するため努力(する)意思を宣言」しているが、世界人権宣言では、すべての者が「奪い得ない権利」を持つとされている。  そしてこの「奪い得ない権利」と言う語は、1776年の米国独立宣言の中でも使われ、その200年後に発効した国際人権規約に受け継がれている。天が与えた権利を人が奪う事は出来ないとする天賦人権説は人権の大原則となっているのだ。  自民党のQ&Aの主張は、世界が認めるこの大原則が誤りであるというものにほかならない。独立宣言の精神を否定された米国にとって日本は価値観を共有している国と思えるだろうか・・・と。  鋭い指摘だ。  自民党もまた世界に通用しないということだ。  因みにサンフランシスコ講和条約はその前文においてまた、「主権を有する対等のものとして」日本と米国他の国がこの条約を締結するとされている。  しかしその同じ日に日本は米国に日米安保条約を「密約」させられて主権を米国に放棄させられている。  この事実を日本国民は知っているだろうか。  安倍首相はそれでも「主権回復の日」の式典を祝うのか。  不勉強の極みである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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