□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月28日第220号 ■ ============================================================== カーラ・ヒルズ元米USTR代表が語った米国の本音 ============================================================== TPP参加問題が口論を二分する一大争点になっている中で、日経新聞が元米国通商代表(USTR代表)の「私の履歴書」を連載したことは極めて興味深いと私は3月18日のメルマガ第191号で書いた。 そしてそこに日本市場を金槌でぶん殴るようにしてこじ開けようとした米国の本音があけすけに書かれている事を指摘した。 これが米国の本音なのだ。 そしてその本音は、安倍首相がTPP交渉参加を表明した後も、毎日のようにカーラ・ヒルズの「私の履歴書」で書かれて来た。 その「私の履歴書」もいよいよ今週末に最終回を迎えことになったが、きょう3月28日の第28回は必読だ。 そこには米国の対中政策の本音が見事に書かれている。 すなわちカーラ・ヒルズ女子は次のように書いている。 「・・・中国の台頭がアジア太平洋地域において、脅威になるという見方も根強い。ただ、国家が富めば、軍事費にお金を投じるのは自然な成り行きでもある。中国は14カ国と国境を接しており、その多くは政情が不安定だ。主要な経済大国である中国、日本そして米国が定期的に話し合い、信頼関係を構築することが肝要だと私は感じている・・・我々は中国との緊張など望んでいない。もちろん我々にも守るべき利害はある・・・軍事面で中国に透明性が欠け、双方の政策に誤解が生じている今こそ我々はお互いにもっと話し合う必要がある。それは米中関係のみならず、日米関係においても同じだと思う・・・」 もちろんこの考えが米国のすべてではない。 しかしカーラ・ヒルズは間違いなく米国の中枢に人脈を持つ閣僚経験者だ。 その一方で日本政府が日米関係をもっぱら委ねるアーミテージ、マイケルグリーンら「知日派」もまた米国政府の代弁者たちだ。 しかし彼等は専門分野が限られた小役人たちだ。 いずれが米国の中で影響力を持っているかを考えれば答えは明らかだ。 ジャパンハンドラーばかりをありがたがる日本は、米国に持つ人脈があまりにも偏り、脆弱である事を自ら自白しているようなものである。 米国との人脈に乏しい日本が米国の本音を正しく知りえないのは無理も無い。 日本の対米政策は中国の対米政策に到底かなわないということである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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