□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月27日第217号 ■ ============================================================== 一票格差選挙の無効判決を手放しで喜べない理由 ============================================================== もっぱらこの話ばかりだから一言私の考えを書きとどめておきたい。 一票格差をめぐる訴訟はついに選挙無効判決が出されるまでに至った。 違憲状態ではない。 違憲にとどまらない。 選挙無効判決が下されたのである。これは確かに衝撃的だ。 安倍政権は無効だ。解散・総選挙は不可避だという声さえ聞こえる。 しかし、私はこの大騒動をさめた思いで眺めている。 なぜならば、この判決が、今我々が直面している政治の閉塞状態を打開してくれることにはならないからだ。 いま大騒ぎすべきは、この国の山積する深刻な問題を安倍自民党政権が正しく解決してくれのかということである。 次期参院選挙で安倍自民党政権の暴走を止められるか、ということである。 どう考えても違憲判決はそれらの解決に直結するとは思えない。 まず指摘したい事は一票格差の是正とは何かということだ。 この訴訟を指揮した弁護士によれば一人一票の実現だという。 人口比例選挙の実現であり米国がそれを実現しているから日本でも出来ないはずはないという。 確かに一人一票の実現まで行かないと一票格差の問題は終らない。 5倍が違憲で2倍が合憲などという線引きはできないからだ。 しかしそのような選挙制度改革や区割り変更は政治家に任せていては不可能だ。 すべての政党が満足する区割り変更はありえない。 二つ目に、たとえ区割りが抜本的に変わり、人口比例選挙が実現されたとしても、少数野党が有利になるという保証はどこにもないということだ。 たとえ衆参同時選挙になったとしても安倍自民党が負けて反自民党連合が勝つ保証はまったくないということだ。 三つ目に、確かに今度の判決は、国会の怠慢に対する司法からの痛烈な批判である。司法権が立法権に対してその存在を示した。 しかし今求められてるのは行政権に対する司法権の優越である。優越とはいかなくても、少なくとも中立、自立である。 最高裁は安倍政権の違憲の諸政策を正す事ができるというのか。 国家権力に蹂躙され続ける国民の基本的人権を守る判決を下せるのか。 決してそうではないだろう。 官僚の集まりである最高裁には、日米同盟の違憲は正せず、原発被曝訴訟をはじめとしたあらゆる国賠訴訟について国民を勝訴させる判決を書けるはずは無い。原発は止められない。 緊急に実現さるべきは国家権力に対する司法権による「法の支配」の実現なのである。 そして極めつけは、今度の一人一票実現運動に関わっている人たちの顔ぶれだ。 護憲・人権擁護の立派な弁護士たちは多い。 しかし同時に小泉政権を徹底的に支持した新自由主義者たちがが顔をそろえて混在している。 私が手放しで一票格差是正について懐疑的に見る理由がそこにある。 この大騒ぎが意図された目くらましとは思わない。 しかし結果的にこの問題をメディアが大騒ぎし続ける事は、目の前の安倍政権の強引な対米従属政策に対する目くらましにつながる。私はむしろそれを警戒する(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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