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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

自民党が国民政党であることを認めた鳩山元民主党代表
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年3月22日第202号 ■   ==============================================================      自民党が国民政党であることを認めた鳩山元民主党代表      ==============================================================  きょう3月22日の朝日新聞は一面のほとんどを割くオピニオン欄で鳩山由紀夫元民主党代表とのインタビュー記事を掲載している。  鳩山由紀夫氏はいうまでもなく政権交代を果たした民主党の初代代表であり首相だ。  その言動の迷走ぶりが非難され、民主党政権失脚の原因を作った張本人の一人である。  当時メディアは鳩山批判の大合唱だった。朝日新聞もその批判に加担した。  その朝日が今頃になって鳩山首相とのインタビューを大きく掲載したのは、鳩山首相を叩いて政権交代の夢をつぶしたことへの反省なのか。  決してそうではないだろう。  もはや鳩山氏が何を言っても政局に影響がない事を知った上で好き勝手に話させているのだ。  そんな朝日のインタビューに嬉々として応じ、私には理想があったがそれを実現できなかった責任はあるとか、多くの人がアベノミックスに浮かれていることにむなしさを覚える、などと今更言ってみたところで、読者は反発を増すばかりだろう。  安倍首相との食事会で全面降伏を誓った朝日が、このようなインタビュー記事を掲載するのは、崩壊寸前の民主党に対してとどめを刺す底意があるに違いない。  それを知ってか知らずか、鳩山氏は「民主党はいったん解党して『強い日本』よりも『あたたかい日本』を目指す新しいグループとして再結集していかれた方がいい」などと話している。  どこまでいってもお気楽な人だ。  しかし、そんな放言インタビュー記事の中で、私が唯一注目した発言がある。  それは「巨人、大鵬、目玉焼き、そして自民党」という表現を使って国民はやはり自民党を選ぶのであると認めているところである。  別の表現ではこうも言っている。  「情があるんですよ。自民党には・・・自民党は父性的な強さと、母性的なあたたかさを両方持っているから強いんです。翻って民主党は理論的だけど冷たい・・・」  実は私も自民党が国民政党であってもいいと思うようになった。  政権交代は必要であったし、選挙によって民主党政権に代わった事は歴史的意義があったと思う。  しかし、かつてそう思っていたような、ダメなら何度でも政権交代を繰り返せばいい、という考えは、いまではもはやまったく持たない。  それどころか自民党でも民主党でもいいけれど、政権政党がなすべきことは、官僚とか大企業とか労働組合とか宗教団体とかその他特定の利益集団や組織の為の政策ではなく、組織を持たないバラバラの一般大衆、もっとも弱い立場にあるその他大勢の多様な要望を選択して優先することであると考えるようになった。  それができる政党であれば何でもいいのだ。  そしてその政党は選挙のマニフェストで決める、選ぶ、のではなく、政権を握った政党を監視し、国民の言う通りの政策を行うように育て上げていくしかないのだ。  そのために情報公開と言論の自由を徹底させる。  これこそがあるべき政治の形であると思うようになった。  つまり政権政党とその政治家に対抗する政治勢力は野党ではなく国民なのだ。  国民が政権政党を監視し、国民の言う通りの政策をさせるということだ。  野党政治家の役割は政権交代を目指すのではなく、国民の手足となって政治の場で政権政党、政治家に命令する事である。  これを行う政党や政治家は、政権政党やその政治家よりもはるかに重要であり有能であるという状況をつくらなければいけないのだ。  インターネット政党が目指すものはまさしくそれである。  そうなった時、政権政党や政治家のうまみは何もなくなる。  そもそも国民の為に正しい政策を行おうとすることは割に合わない仕事だ。  奉仕の精神と能力と勤勉さがなければ出来ない。  与党は政権交代の心配がないから議員を多く集める必要もない。  野党もまた政権交代を目指さないのであるから議員を多く集める必要はない。  政治家のはずはぐっと削減されることになる。  インターネット政党が目指すものはまさしくそれである。  国民の意思が直接政策に反映されるようなシステムが出来れば、政治など本来はなくてもいいのである。  まったくなくしてしまう事は無理だが、必要最小限でよく、その権限や待遇もまた大幅に縮小されるべきだ。  なぜなら政治は奉仕であり、政策は国民がつくるのだから。  そういう政治が実現できないものだろうか(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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