□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月22日第203号 ■ ============================================================== 安倍首相と豊田章男の二人で決めた今年の賃上げ ============================================================== 私は3月15日のメルマガ第185号「2013年春闘に見る連合の敗北」で書いた。 これは大手企業が安倍政権に協力した政治的産物である。トヨタが応じ、その他が右へならえとなった結果だと。 この事をきょう3月22日の日経新聞「迫真」というコラムが次のように書いている。 きっかけは新年早々の1月7日。ホテルオークラの日本自動車工業会の賀詞交歓会であったという。 政権をとったばかりの安倍首相(58)が駆けつけ、壇上で「頑張った人が報われる社会をつくりたい」と挨拶した。 それを目の前で聞いていたトヨタ社長の豊田章男氏(56)ははっとしたという。 「頑張った人が報われる社会」というフレーズは自分がこれまで繰り返してきた言葉だったからだ。 その安倍首相が「業績が改善している企業は報酬の引き上げなどをぜひ検討してもらいたい」と経済界に要請したのは2月12日だった。 トヨタの春季労使交渉が始まったのは2月20日。 トヨタの経営幹部とトヨタ労組の執行幹部が向き合った国内最大の賃金交渉は厳しかった。 経理担当副社長の小沢哲(63)は「日本からの輸出の実力は安定的な利益貢献には程遠い」と突き放し、人事担当常務役員の宮崎直樹(55)が「賃金を上げる要素はない」と続けた。 労組執行委員長の鶴岡光行(51)氏は「努力と成果がご理解いただいていない」と切り返した。 豊田章男社長には「政府に協力したい」との思いがあった。 出した答えは、会社側の考えである一時金「200万円が妥当」プラス5万円。 「労使宣言」50周年記念としての5万円を上乗せする形で、組合側が求める「205万円」に対して実質上の満額回答で答えた。 回答の翌日である3月14日。豊田社長は首相官邸に安倍首相を訪ね、賃上げを報告すると、安倍首相は再び応じたという。 「頑張れば報われる社会をつくりましょう」と。 その日経の記事は次のように締めくくっている。 翌日3月15日。安倍首相は自動車業界も求めていたTPPへの交渉参加を表明した。政府と企業の距離を埋めようとする動きが続く(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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