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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「主権回復の日」を歓迎する産経新聞の片手落ち
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年3月22日第201号 ■   ==============================================================      「主権回復の日」を歓迎する産経新聞の片手落ち      ==============================================================  くどいようだけでもう一度だけ「主権回復の日」について書いておく。  それほど私はこの「主権回復の日」式典の持つ意味を重視している。  きょう22日の産経新聞が「主権回復の日」は決して沖縄にとって屈辱の日ではないという宮本雅史那覇支局長の論説を掲げている。  「主権回復の日」を最初にスクープ報道したのは産経新聞だったが、その意図がわかった。  つまり産経新聞は最初から「主権回復の日」の式典を決断した安倍首相に賛同して、あのスクープを書いたということだ。  しかし、この産経新聞の論説もやはり沖縄問題に終始して、要旨次のように書いている。  すなわち沖縄の住民でも反対する者ばかりではない。  反対する顔ぶれは米軍基地や自衛隊に反対するメンバーと同じだ。  仲井真知事も言っているではないか。  「未来に向け希望に満ちた決意を新たにする日としてとらえたい」、と。  つまりこれを機会に辺野古移転を受け入れ、沖縄も本土と一体となって日本の安全保障に万全を期すべきだ、といわんばかりだ。  しかし、産経新聞は、知ってか知らずか、サンフランシスコ講和条約締結の日が、沖縄だけでなく、日本国民全体にとっての屈辱的な日であることについてまったく言及しない。  4・28という日は、連合軍の占領から解放されたが同時に米軍の占領が始まったという日であるのだ。  これは紛れもない歴史的事実である。  かつては共産ソ連の、そしていまは軍事大国中国の脅威に対抗するために、米軍の永久占領を受け入れざるを得ない。  そう産経新聞が本気で思っているのならそれは一つの考えだ。そしてそれを堂々と書くべきだ。  しかしその是非は、文字通り国論を二分する問題であり、愛国保守の中でも議論が分かれる大問題であるに違いない。  それを正面から論じずに沖縄問題に閉じ込めて「主権回復の日」を歓迎するのは片手落ちである。  きょう早朝のNHKニュースは、ついに自民党はこの「主権回復の日」の意義を説明するために、すべての自民党議員を対象にした議員懇談会を開催することにしたと報じていた。  その議員懇談会もまた沖縄問題に終始して逃げるのだろうか。  それとも自主防衛を強化して、いずれは米軍基地をこの日本から撤退させるという1955年の自民党結党政治綱領の実現を目指すというところまで議論が及ぶのだろうか。  けだし見ものである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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