■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月16日第186号 ■ ============================================================== TPP交渉参加をオバマ大統領に公約していた野田前総理 ============================================================== きのう3月15日に安倍首相はついにTPP交渉参加の方針を決定し、それを米国に伝えたと国民の前で表明した。 それをメディアは一斉に報じて京16日の各紙はその記事で埋め尽くされている。 しかしこれほどの茶番はない。 国民に参加表明をする前に、政府はとっくにオバマ大統領に参加意思を表明していたのだ。 もちろん安倍首相は2月の訪米時にオバマ首相と会談をして参加約束をしてきた。 しかしそれよりも前にすでに首相がオバマ大統領にTPP交渉参加を伝えていたとしたら国民はいい面の皮だ。 そしてそれが現実に行われていたのである。 日刊ゲンダイに高野孟というフリージャーナリストの「永田町の裏を読む」という連載記事がある。 その3月16日の連載第10回に驚くべき事が書かれている。 すなわち昨年11月のアセアン首脳会議に出席した際、野田首相はオバマ大統領と首脳会談をした。 その時に、野田首相がオバマ大統領に次のように日本のTPP交渉参加の方針を伝えていたというのだ。 「米国がジョン・レノンだとしたら日本はポール・マッカートニーです(中略)ジョンとポールが仲良くやらなければビートルズがうまくいかないように、日本が入らないTPPはありえません」 たとえはくだらないが、「日本が入らないTPPはありえません」というのは。まぎれもなくTPP交渉参加表明である。 しかもそれが日米首脳会談において日本の首相からオバマ大統領に直接伝えられていたのである。 もっと驚くべきことは、この極秘情報がなんと野田首相自身の口から国民に公開されていたというのだ。 すなわち野田首相は選挙区住民に向けて「かわら版」というA4判の二つ折りのビラをばらまいているらしい。 その2月17日付で次のようにTPP参加の決断をしたのは自分だと自慢げに話し、その勢いあまって上記のようなエピソードを告白しているというのである。 「日米同盟の信頼を損ねた」という安倍首相の野田民主党政権批判とは裏腹に、オバマ政権が野田民主党政権を評価している理由はここにある。 3月15日の安倍首相のTPP参加表明は、日本国民やメディアにとっては一大決断であるのかもしれないが、米国にとっては目新しくも何もないのである(了)。 TPP交渉参加問題は国内問題である。 日本の一人相撲である(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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