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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

2013年春闘に見る連合の敗北 
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■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年3月15日第185号 ■   ==============================================================   2013年春闘に見る連合の敗北         ==============================================================  今度の春闘は自動車大手の定昇やボーナス増額に引っ張られる形で久しぶりに明るい見通しになりそうだ。  それ自体は歓迎さるべき事である。  問題はなぜそうなったかである。  アベノミックスは始まったばかりであるので、その結果があらわれたというより、期待感を先取りしたと見るのが当然だ。  しかし私はそれだけではないと思っている。  これは大手企業が安倍政権に協力した政治的産物である。  もちろん企業によっては業績のばらつきがあるので、すべての企業が定昇やボーナス増に応じられるわけではない。  しかし大手企業が安倍首相の頼みに応じ、景気回復に協力するという政治的動きを見せた以上、右へ倣えとなるのが日本企業の現実だ。  非協力的と非難されてはたまらない。  それほど業績が悪いのかとみなされたら企業に傷がつく。  ここは少しぐらい無理をしても多くの企業が右へならえとなるだろう。  それにしても、本当に企業収益が悪いのなら、ない袖は振れない。  やはり企業には内部留保という余裕があったのだ。  景気や収益とは関係なく、その気になれば多くの企業は程度の差こそあれ定昇やボーナス支給は今まででもやろうと思えば出来たのだ。  ところが民主党政権は政権維持に青息吐息で、とても財界に賃上げ要求などできる余裕はなかった。  財界もまたそんな民主党政権に協力する気はなかった。  ところが安倍自民党政権になって安倍、麻生のそろい踏みで企業に迫った。  おまかに安倍自民党は高い支持率を誇っている。  景気回復はもはや国民的悲願だ。  協力してやろうじゃないかとトヨタなどが応じる。  いったん流れが決まれば皆が後に続く。  その結果が今度の春闘の結果ではないのか。  それにしてもと思う。  賃上げ要求とその実現は労働組合の最大の効用であると相場は決まっている。  しかしいくら連合が声を上げても企業側は応じなかった。  それが安倍首相のお願いであっという間に賃上げが決まる。  ただでさえ影の薄い連合は、かつてないほどの敗北感を味わっているに違いない。  そして連合頼みの民主党はますます選挙で勝てなくなる。  すべてはそれを見越した安倍自民党の戦略でありその安倍自民党を支持する財界の協力の結果である。  今年の春闘は参院選を目前に控えた特別な政治的意味を持つ春闘だということである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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