■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月12日第180号 ■ ============================================================== トモダチ作戦の裏で行われていた米軍のミサイル警戒作戦 ============================================================== 東日本大震災2年の特集記事で埋め尽くされているきょう3月12日の紙面の中で私が注目したのはワシントン発佐々木類記者の書いた「トモダチ作戦時に極秘要員」という見出しの産経新聞のスクープ記事である。 米軍関係者から聞いたというその記事は、大震災直後に米国はトモダチ作戦とは別に、大災害の混乱に乗じたミサイル攻撃や原発テロ攻撃が周辺国から起きる事を警戒して、監視要員を米国から日本に派遣して情報収集活動をしていた、という記事である。 「大震災で警察や自衛隊意の警戒網に穴があき、日本本土だけでなく極東の平和と安定に不測の事態が起きかねない」(米軍関係者)という強い危機意識は、もちろん日本の安全というよりは米国のためだ。 あらためて米国の凄さに感心させられるのであるが、私がこの記事を読んで即座に思い出したのは「日米地位協定入門」で書かれていた次のくだりである。 すなわち日本は日米地位協定によって米軍関係者の入出国については主権が及ばない(35ページ)仕組みになっている。 具体的には日米地位協定で米軍の構成員は旅券、査証に関する日本の法令から一切免除されることになっている。家族までも外国人登録が免除され、日本の法令の適用から除外される(地位協定9条2項)。 言い換えれば米軍機で本国と米軍基地を出入りすれば、誰でも日本政府の把握できないところでに自由に出入りできるのである。 だからこそ在沖縄米海兵隊のグアム移転に際しての日本負担経費も誤魔化されるのだ。 つまりあの時グアムへ移転する在沖縄米海兵隊の数が二転、三転した。 それは日本政府がその数についてウソをついたというより実数を把握していなかったのだ。 米国側のいう数字を鵜呑みにするしかなかったのだ。 その米国側の数字に基づいて日本側は移転経費の日本負担分を血税から支払わされていたのだ。 おそらくこの産経新聞のスクープ記事にある極秘監視要員についても、日本政府が国民に隠していたというよりも、日本政府自体が知らなかったのではないか。 どのメディアもこんな事が行なわれていた事書いた記事はなかった。 私もこの産経新聞の記事でこんなことが行なわれている事をはじめて知った。 日米同盟関係を象徴しているようなワシントン発佐々木類産経新聞記者のスクープ記事だ。 日米同盟関係の実態について我々が知っている事は氷山の一角に違いない(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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