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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

官邸主導という名の「安倍おともだち政権」の大罪
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2013年3月3日第158号 ■   ==============================================================    官邸主導という名の「安倍おともだち政権」の大罪  ==============================================================  このところ安倍政権の下で官邸の力が強まっているという記事がやたらに目につくようになった。  自民党をとっても、党より政府(官邸)の力が強い事はもはや明らかだ。  しかし私は自民党と官邸の関係よりも、官僚組織と官邸の力関係に注目する。  これまで中曽根政権や小泉政権の時も官邸主導という事が言われてきた。  しかしその官邸主導はあくまでも官僚組織を重んじた上での官邸の優位であった。  しかし安倍首相の官僚の使い方を見ていると明らかにそれとは違う。  官僚組織には信を置かず、お気に入りの官僚OBや民間人の意見を鵜呑みにして政策を決めているがごとくだ。  これは危うい。  私は特に外交・安全保障政策に危惧を抱く。  発売中のプレジデント3月18日号に「安倍外交を支える異色の内閣審議官」と題する注目すべき記事がある。  その記事は、谷内正太郎内閣参与(元外務事務次官)とならんで谷口智彦という内閣官房審議官が安倍外交を支えていると次のように書いている。  谷口智彦氏は日経BP主任編集委員、ブルッキングズ研究所研究員、外務省外務副報道官などを歴任し、今年2月に安倍首相の推しで内閣審議官についた。外交・安全保障に詳しく谷内正太郎参与とも懇意。谷内氏らとの対談を収録した「同盟が消える日―米国発衝撃報告」ほか多数の著書がある。安倍首相就任後の昨年12月にはプラハに本拠を置く国際NPO団体「プロジェクトシンジケート」に米国、豪州、インド、日本が連携して対中包囲網を築けとするダイヤモンド構想の論文を寄稿した。この論文は谷口氏が書き、首相がゴーサインを出したもの(外務省関係者)といわれている。東南アジア歴訪の時に発表したアジア外交5原則もまた谷口氏と言われている・・・  この「プロジェクトシンジケート」への寄稿文については、1月29日のメルマガ第75号「封印された安倍首相の過激論文」でその危険性について書いた。  中国との武力衝突の危険性を一気に高めた論文である。  私がこのダイヤモンド記事で注目したのはこのような安倍首相の外交が、外務省という組織をないがしろにしているというくだりだ。  すなわち谷内正太郎参与はその影響力に任せて子分の兼原信克前外務省法規局長を内閣官房副長官補に一本釣りし官邸主導の外交を推進しているという。  さらには他のメディアがさんざん報じているところであるが安倍首相は外務省の事務次官を更迭して安倍外交に忠実な齋木昭隆外務審議官を近く次期事務次官に抜擢するという。  安倍官邸は外務省そのものを無視して一人のOBにその外交を任せているがごときだ。  外務省が安倍官邸に不快感と警戒感を抱くのは当然だ。  文字通り外交・安全保障政策の私物化である。  安倍外交が正しければまだいい。  しかし谷口といい谷内といい、その考え方は日米同盟を強化して中国を敵視するという考えである。  これは中国との関係改善を絶望的にするだけでなく、中国との対立を好まないオバマ政権からも警戒される極右の外交・安保政策である。  そんな谷口氏らと安倍首相は関係を深める一方であるかのようだ。  きょう3月3日の首相動静論は次のように書かれていた。  「2日0時35分読売テレビの番組収録。1時2分東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急。レストラン「ORIGAMI」で谷口智彦内閣審議官らと昼食・・・」  そこに谷内参与が同席している事は間違いないだろう。  安倍外交は国民のためにはならない。早晩行き詰まるに違いない(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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