□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月3日第157号 ■ ============================================================== 勝栄二郎前財務事務次官の天下りが許せない本当の理由 ============================================================== きょう3月3日の各紙が一斉に報じている。勝栄二郎前財務事務次官が法人向けITサービスを手がけるIIJ(インターネットイニシアティブ)という会社の次期社長に内定したと。 これだけを見ると単なる官僚の民間企業への社長転出という再就職でしかない。 しかしインターネットイニシアティブという会社は大企業のほかに官公庁が主な顧客であるネット接続、セキュアリティ、システム構築会社だという。 官僚の影響力を期待して社長として迎えるのだからこれ以上の「天下り」はない。 しかも勝栄二郎前財務事務次官はいずれ独立行政法人や政府関係機関のトップとして本物の天下りにおさまるだろう。それまでの時間稼ぎとして民間企業に腰掛けるのである。 この国の支配者たちの人事のたらい回しであり、それだけでも批判の対象となってしかるべきだ。 しかしこの人事で見逃せない本当の犯罪的背景がある。 それを見事に喝破したのが2月27日の日刊ゲンダイの記事である。 その記事は「勝栄二郎の補正予算500億円ブン捕り」と題して要旨次のように書いている。 きょう(2月26日)に成立する補正予算案13兆1054億円の中に、独立行政法人「情報通信研究機構」のIT関連予事業に500億円もの予算がついた。これは野田内閣で消費税増税をお膳立てした勝栄二郎前財務事務次官がブン捕った予算だという。霞ヶ関関係者が言う。「勝前次官の天下り先が、通信ネットワーク運営会社なのです。昨年末から、日本のIT事業の草分けであるインターネットイニシアティブ(IIJ)社の特別顧問についている。そういうタイミングで財務省が500億円の大盤振る舞いです」 もう賢明な読者ならお分かりであろう。 この予算は増税法案の「お礼」である。 そのお礼を手土産に顧問から社長へと天下る予定調和なのだ。 そしてその事は霞ヶ関が知っていたのだから政府内部の者は皆知っていたということだ。 いや、日刊ゲンダイでさえ知っている事だから、大手メディアはとっくに知っていた。 しかしそれを書かなかっただけだ。 そして勝栄二郎前財務事務次官が社長に内定した段階で、あたかも普通の人事の如く小さく報じる。 この国は政・官・財・メディアで我々の税金が食い物にしている、その腐敗の象徴的な人事であるということである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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