□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年3月2日第155号 ■ ============================================================== まるで評論家どまりの浜田宏一というアベノミックスの指南役 ============================================================== きょう3月2日の朝日新聞が浜田宏一米エール大学名誉教授との単独インタビュー記事を掲載していた。 およそ一般国民には知られていない浜田宏一と言う経済学者が一躍世間に知れ渡ったのは、その教授が安倍首相のデフレ解消策を誉めそやし、それに気をよくした安倍首相が内閣官房参与に抜擢してアベノミックスの旗振り役を任せたからだ。 だからその浜田教授がどのような事を朝日のインタビュー記事で語っているのか興味があったので読んでみた。 そして驚いた。日銀が掲げる2%の物価上昇目標について次のように語っているのだ。 「国民にとってはインフレそのものが目標ではないので、達成できなくても失敗ではない。むしろ、インフレにならずに雇用と生産を回復するほうが望ましい。本来の目標は需給ギャップをなくしてデフレを克服し、景気と雇用を回復することだ」 これはが当たり前のことであることは、経済に素人である私にもわかる。 それが出来ないから日銀総裁まで交代させてインフレターゲット設定を強行したのではなかったか。 達成できなくても失敗ではないといまから言うのは不誠実だ。 浜田教授はさらに言う。 「(財政出動については)震災復興は重要だが、どんどん使えばいいというものではない。金融緩和と円高是正による企業収益の改善で税収を増やし、財政を均衡へ向かわせるべきだ」と。 金融緩和と円高是正だけでは不況脱出ができないから安倍政権は10兆円もの補正予算を順で復興予算の名の下にばら撒いたのではないか。 消費税増税についても次のような慎重な言い回しはどうだ。 「とても無理だろうと思った事もあったが、景気回復が順調に進めば可能になるかも知れない」と。 これも誰もが思っていることだ。 景気が回復しなければとても消費税増税など無理だと皆が言っている。 極めつけはデフレ解消に「今後半年から1年が勝負だ」と答えているところだ。 まるで逃げを打つ評論家のようだ。 今年中に成果が目に見えなければ指南役はどうするつもりなのだろう。 何一つ自信をもって自らの具体的策を語っていない。 これを要するに浜田教授が指南役などというのはメディアがつくりだした虚像である。 アベノミックスの実態は経済官僚が主導しているという動かぬ証拠である。 安倍総理主導という名を借りて官邸に送り込まれた官僚たちが跋扈し始めているのである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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