□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月23日第138号 ■ ============================================================== リニア新幹線売り込みの記事の影にちらつく葛西と前田という名前 ============================================================== きょう2月23日の読売新聞の一面トップに、日米首脳会談で安倍首相がオバマ大統領に日本が米国の高速鉄道整備計画に協力し、日本で実用化段階にあるリニア新幹線の技術を米側に提供する意向を表明する、というスクープ記事が大きく掲載されていた。 あきらかな関係者によるリーク記事だ これまでの一度もメディアに出てこなかった新たなお土産だ。 しかし、このお土産自体の是非を論じるのがこのメルマガの目的ではない。 リニア新幹線の米国売り込み自体が良いとか悪いとかという話ではない。 私がこのスクープ記事を読んで真っ先に思い浮かべたのが、葛西と前田という二人の人物の名前である。 言うまでもなく葛西とはJR東海会長の葛西敬之(かさいよしゆき)氏のことであり、前田とは前田 匡史(まえだ ただし) 国際協力銀行資源金融部長のことである。 葛西氏は名うての親米保守・反中国の財界人である。やがて中国と競い合う事になるだろうリニア新幹線技術について、はやばやと米国と手を組んでおこうというわけだ。 前田氏は旧輸出入銀行の一部長でありながら、国家プロジェクトの融資担当という立場を利用して政府・財界・米国などにパイプを築いた人物だ。 民主党政権であれ自民党政権であれ常に権力に近づいて手伝いをする人物だ。 今度の米国へのリニア新幹線の技術提供についても、その建設資金は国際協力銀行が融資する事が検討されているという。 私がこのメルマガで言いたい事は、あまた存在するJR幹部や公的金融機関の幹部の中で、この二人のようにいつのまにか日本の政治の中枢に大きな影響力を行使するような人物が現れること、そしてその理由が必ずしも明確ではないまま、この国政・官・財・メディアも当たり前のようにその影響力を容認してしまうこと、世の中にはこのような不透明な人事が少なからず見られ、彼らが日本の政策を裏で動かしているという現実があること、それを読者に伝えたかっただけである。 この国の政策に対して裏で影響力を持ち、そのくせ自らは決して表には出ない。責任を問われることもない。 こういう人物こそ今の日本でもっとも恵まれた立場にある人たちに違いない。 その言動からは目が離せない人たちである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新しいコメントを追加