□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月21日第133号 ■ ============================================================== 対露外交に見る日本と中国の外交力の差 ============================================================== きょう21日、森喜朗元首相が安倍親書を携えた特使として訪露するらしい。そしてプーチン大統領と会って北方領土問題について意見交換し、安倍首相の4月-5月頃の訪露実現につなげるという。 これがきょうのメディアが小さく報じる森特使訪露の記事だ。 そして北方領土問題については軽々に分離返還を口にしてはいけない、あくまでも4島返還だ、いやそんな事を言っていては何時までたっても北方領土問題は返って来ない、まずは一部でもいいから返してもらうことを優先すべきだ、などという議論が繰り返される。 朝日に至ってはプーチン大統領とのインタビューに欧米メデアとともに参加させてもらった光栄に酔いしれて、その時引き出した柔道用語の「引き分け」というプーチン大統領の言葉の意味は何か、などと頭を痛めている。 これほど滑稽な事はない。 プーチンやメドベージェフは繰り返し公言しているではないか。1インチたりとも領土は譲らないと。 北方領土に軍事的施設まで強化しているではないか。 いまは北方領問題を話し合う時期ではまったくない。 そう思っていたらレスリングが五輪種目から外されようとしている事に反対し、その巻き返しで日露協力を話し合ってくるという。 なるほどそれが訪ロの目的なら頷ける。スポーツ好きの森元首相にはうってつけの話だ。 ひるがえって中国の対露首脳外交はどうなっているのか。 きょう2月21日の産経新聞が報じている。 習近平総書記が3月に開かれる全人代の後に初外遊先としてロシアを選び訪露することが分かったと。 ロシアとの関係を強化して日米同盟に対抗する思惑があると。 安倍首相の主導で形成されつつある中国包囲網を突き崩すために、中露間の様々な問題で譲歩し、北方領土問題でもロシア寄りの立場を表明することによって、中露関係の強化につとめるという。 こちらは本物の外交だ。これこそが首脳外交である。 安倍首相の訪露などというパフォーマンスとは比べ物にならない外交である(了)。 ・ ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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