□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月18日第124号 ■ ============================================================== 安全保障政策の観点から見た憲法9条の素晴らしさ ============================================================== 今週の報道は安倍首相の訪米一色で埋め尽くされるだろう。 そしてその報道は尖閣問題や北朝鮮の核に対応する日米軍事協力の深化で一致という官製報道で埋め尽くされるだろう。 しかし、そんな流れに真っ向から異議を唱えた論説をきょう2月18日の朝日新聞に見つけた。 「風 ワシントンから」というコラムで「訪米する首相へ 脅威に向かう知恵語れ」と題する立野純二アメリカ総局長の論説がそれだ。 彼は結論部分で次のように書いている。 「・・・安倍首相は今週訪米してオバマ大統領と会う。共通の脅威に備える連携をうたうだろう。だが『戦争の時代は終った』と説く大統領がアジアの真の朋友から最も聞きたいのは、隣国とどう戦うかではなく、隣国とどう賢くつき合うかだ。その知恵こそ大いに語ってもらいたい」 ワシントンでオバマ政権の第二期を見ているアメリカ総局長がそう言っているのだから間違いない。 そうなのだ。オバマの米国は決してアジアの有事など望んでいない。この認識こそ重要なのである。 しかし私がこの立野氏の論説で素晴らしいと思ったのはその事ではない。 もはや核保有国となった北朝鮮に米国は正しく対応出来ない、それどころか北朝鮮を核保有国に追いやった国こそ米国なのだという事を、数々のエピソードを交えて語っているところだ。 その白眉の部分が銃規制が出来ない米国の業病を持ち出して次のように書いている部分だ。 「・・・米国の安全保障論では、核の均衡の是認が一部に根強く残っている。核が広がれば互いに争いを恐れ、平和になるという邪教のような思想は、米国の銃社会の発想にも通じる・・・北朝鮮が西部劇流の『銃には銃を』の理屈に走るのは皮肉だが、米ロ中などの核大国が不拡散と両輪であるはずの核軍縮にずっと不真面目だったことが世界の倫理をむしばんできた・・・」 その通りなのである。 核兵器が再び人類の上に落とされてはじめてきづくのか、あるいは、その前に人類の良識が働くのか、いずれにしてもいつの日か核兵器全廃しか危機を回避する方法はない事に人類が気づく時が必ずくる。 そしてその時こそ、いくら武力で自らを守ろうとしてもそれが不毛なことである事に世界が気づく第一歩となる時である。 これこそが憲法9条が訴えていることなのだ。 憲法9条こそ最強の安全保障政策であるという事に世界が気づく時である。 北朝鮮の核実験はまさにその事を我々に教えてくれたのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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