□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月15日第116号 ■ ============================================================== 福島の子どもを被曝から守る事は日本国民の倫理だ ============================================================== 私は2月9日、10日の両日、福島の有志に呼ばれて講演する機会があった。日本が原発を止められない裏にある米国との関係について話して欲しいという。 その機会に私は一冊の冊子の存在を知った。 それは「ふくしま集団疎開裁判の会」が編集した「いま子どもがあぶない 福島原発事故から子どもを守る『集団疎開裁判』」という冊子である。 「ふくしま集団疎開裁判の会」は私を講演に呼んでくれた有志の一つである。 講演会場で600円で販売されていたその冊子を買い求め読んだ。これは素晴らしい冊子だ。 私はあらためて福島の子どものおかれている状況の深刻さを知った。集団疎開の緊急必要性を知った。 そうなのだ。原発ゼロの是非や再生エネルギー政策の議論をするのもいい。 しかし今真っ先に原発事故対策として行なわなければならないのは目の前の子どもたちを被曝から救うことである。 これは与野党を離れた日本国民全員の倫理の問題である。 世界からみれば日本はなんという倫理感の欠如した国ということになる。 私は講演後の懇談会で思いつきに次のような提案をした。 デモをしたり議員に陳情するのもいい。しかし一番重要な事は安倍首相の奥さんである安倍昭恵夫人に子どもを抱える福島の若いお母さんをつれてこのパンフレットを読んでくれと頼むことだ。 それを女性週刊誌記者に頼んで取材させ全国に流すことだ。 それでもダメなら若いお母さんを小泉新次郎の前に連れて行き、このパンフレットを持って直訴させることだ。 明恵さんが心を動かさないはずはない。 小泉新次郎の言っていることが本心なら小泉新次郎が行動を取らないはずはない。 安倍自民党を批判するよりもいまは褒め殺すことだ。民主党政権が被災地、被曝地対策に何も出来なかったことに比べ自民党が動けばやはり自民党だということになる。 安倍自民党の参院での勝利もこれで決まりだ。 そう自民党政権を褒め殺してとにかく一刻もはやく母子たちが安心して疎開できる環境を政府が全面的に支援するよう予算措置を講じることだ。 予算は無駄遣いするほどある。その気になればすぐ手当てができる。 私は思いつきでそうハッパをかけて帰ってきたのであるが、その考えはわれながら名案だと思う気持ちが日々募っていく。 たとえそれがパフォーマンスで終ってもいい。あのパンフレットが有名になり全国の若い母親の引っ張りだこになるだろう。 それを読んだ母親で行動を起こさない者はいない。 反原発運動が世田谷の女性たちの手ではじまり全国的な運動にひろがったように福島から子どもを被曝から救えという声がうねりをあげるだろう。 それが集団疎開裁判の勝訴にもつながる。 裁判官もまた倫理と政治の間で悩んでいるのだ。世論の後押しがあれば勇気ある判決が下せるのだ。 そう思っていたら、ついに驚くべきニュースが飛び込んできた。 きのう2月14日の各紙が一斉に報じた。福島の子どもたちにあらたな甲状腺がん犠牲者が判明したと。 こんな事を放置できるというのか。これは倫理の問題だ。日本国民全員の良心が問われているのだ。 私の思いつきの行動はもはた思いつきでなくなった。 福島の若い母親よいまこそ立ち上がれ。 福島の有志よ。いまこそ若い母親にその行動をとらせるように支援せよ。 福島を脱原発の拠点にとして日本の、そして世界の福島にするのだ。 まごまごしていると頭のいい自民党政権の政治家たちはその考えを先取りする。 そして福島が原発事故を克服した原発維持の拠点にされてしまう。 それだけはさせてはいけない(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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