□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月15日第117号 ■ ============================================================== ハーグ条約加盟を急げと日本を恫喝した米国 ============================================================== きょう2月15日の記事の中で私が一番注目したのはハーグ条約への早期加盟を求めた米国ルース駐日大使と河井克行衆院外務委員長との会談の記事だ。 すなわちルース駐日大使は14日国会内で河井外務委員長と会い、ハーグ条約への日本の早期加盟を要望したという。 河井衆院外務委員長は6月の主要国(G8)首脳会議までに条約加盟の国会承認が得られるよう「全力を傾ける」と述べたという(2月15日朝日)。 このハーグ条約加盟は2月末の安倍首相訪米のお土産第一号だと私はきのう2月14日のメルマガ第113号「国会審議が始まる前に決まったハーグ条約加盟」の中で書いた。 だから驚かない。 きょう2月15日の東京新聞は「首相『成果』に苦心」と題して次のように書いている。 「・・・首相側がハーグ条約にこだわったのは、日米最大の懸案であるTPP交渉参加と普天間飛行場の移転問題で、日本側が目立った進展を訴えられない後ろめたさがあるからだ・・・・」と。 情けない話だがそれも驚かない。私がいつも書いてきたことだ。 しかし今日の新聞報道には驚いた。 河井外務委員長によるとルース氏はこう言ったという。 「(ハーグ条約の)取り扱いを間違えば(日米関係が)爆発するような重大な案件だ」と語ったと言う(朝日、毎日)。 これは恫喝だ。 この会談はルース駐日大使からの申し入れで行なわれたというから国会にまで乗り込んで恫喝したということだ。 しかしそのことでさえも私は驚かない。 日本が米国から恫喝され続けてきた事は外務省内部にいて知っているからだ。 私が驚いたのは河井克行という政治家がそれを国民の前であっさりと暴露したことだ。 それを何のためらいもなく記事にして国民に伝えた朝日、毎日の感覚の麻痺だ。 だから日本はハーグ条約に加盟しなければならないと安倍首相の片棒を担いで国民に納得させたいのだろうか。 政治家もメディアも矜持というものはないのか。 日本を取り戻すという安倍首相の信念はそれほどまでに軽いのか。 実は私が「自立する国家へ!」で訴えたのはそのことだった。 尻尾を振って対米従属を自認する親米保守たちはいいだろう。 対米従属を貫く事が得だという功計算があるからだ。 しかし安倍首相や田母神氏のような愛国保守が、日本や日本国民よりも米国の国益を優先するような要求を飲ませられるのは耐えられない屈辱に違いない。 だから頑張れ、自立せよ、とエールを送ったのである。 それは彼らにとっては最も触れられたくないアキレス腱であるに違いない。 「自立する国家へ!」が評価されない理由はそこにあると私は思っている(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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