□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月12日第109号 ■ ============================================================== 北朝鮮が核実験を強行した衝撃 ============================================================== 北朝鮮が核実験を取り止めるだろうという安堵感が広がっていた矢先の地下核実験強行のニュースである。しかも小型化、軽量化した原子爆弾実験を成功させたと自称している。 これが事実ならばやはり衝撃だ。 私は11日のメルマガ第106号「外交力で中国、北朝鮮に完敗した米国と日本」と題して書いた。 北朝鮮が近い将来核実験をするかどうかはもちろん分からない。油断させておきながら機会を見はからって突然核実験を強行するかもしれない。 しかしもし北朝鮮が核保有国になって自信をつけているなら延期するかもしれない。なぜならば実験を延期する事で制裁は避けられ、国際社会は安堵する。その気になれば北朝鮮はいつでも実験をやるぞと脅かすことができる。 核実験の延期で北朝鮮が失うものは何もない。それどころかあらためて核保有国としての存在感を示すことができるからだ、と。 そしてもし中国が北朝鮮と連携を取っているとしたら、中国は北朝鮮に厳しい態度をとって米国に恩を売った振りをし、延期させることによってさらに株を上げる。中国も北朝鮮も今度の核実験の延期で得るものは大きい。もしそうなら見事な外交力だと。 8日に北朝鮮が核実験騒ぎは米国の早合点だと論評したのはそのサインだろうと。 どうやらこの読みは見事に外れたようだ。 予想が外れたから衝撃を受けたのではない。 誰も先が読めないまま、北朝鮮に対する非難が強まり、それに対する北朝鮮の反応がさらに強硬にならざるを得ないからだ。 ここ当分は日本のニュースはすべてが吹っ飛びこのニュースばかりだろう。 これまでになかった新局面である。 当面はこのあまりの北朝鮮の強硬さを前にして、北朝鮮に対する宥和政策はもはや誰も唱えることは出来なくなった。 しかし北朝鮮への強硬政策をいくら叫んでみても危機はなくならない。 しゃらくさいと言ってもやはり外交力で事態を解決するしかない。 制裁強化や武力行使で北朝鮮の核を排除することは出来ない。 次はイランの核だ。 北朝鮮やイランの核を許さないといって彼らとの戦争を世界は覚悟できるのか。 核戦争の危機を避けることができる国は米国しかない。 核兵器を最初につくり、それを人間に対して使い、そして核兵器保有についてのダブルスタンダードを繰り返す米国が、みずから核兵器の撤廃を率先し、世界から核兵器をなくすように垂範しない限り危機は続く。 いまの米国や世界は核戦争を始める余裕はない。(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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