□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月12日第107号 ■ ============================================================== 拉致問題を解決するには北朝鮮との直接交渉しかない ============================================================== 2月10日の産経新聞が一面トップで拉致問題のスクープ記事を大きく掲載した。 すなわち2002年に脱北した朝鮮労働党の元工作員が拉致被害者は日本や韓国だけでなく14カ国に及んでいたと証言していた事が9日にわかったという。 私はこの記事を見た時、あのレーザー照射攻撃事件と同じ誤りを繰り返す事になると直感的に思った。 この証言の真偽はもちろん不明だ。 しかしその真偽が確認されないままにこのような情報が公開され、一人歩きしていくと、北朝鮮の犯罪は国際問題に発展し、国際的圧力で北朝鮮に拉致問題の解決を迫れという機運につながっていく。 しかしこれは逆に北朝鮮を追い込み、北朝鮮を硬化させることになる。 それはそうだろう。たとえ間違いを犯していたとしても、その間違いを世界が見ている前で糾弾されるなら認めるわけにはいかなくなる。 間違いを犯しているからこそますますそれを否定せざるを得なくなるのだ。 拉致問題を制裁一辺倒で解決せよと迫る産経らしいスクープ記事である。 しかしその戦略が間違いである事は、これまでの交渉が何の成果もあげられなかったことで明らかだ。 私が何度も書いてきたようにもし安倍首相が「必ず安倍内閣で解決する」というのなら、そして「もう一度総理に就いたのは、拉致問題を解決しなければという使命感によるものだ」というのなら、その言葉にウソがないなら、北朝鮮との極秘裏の直接交渉しかない。 この私の主張を見事に代弁してくれている記事を見つけた。 発売中の週刊朝日2月22日号に拉致被害者の一人である蓮池薫さんの兄である蓮池透さんの独占インタビューが特集されている。 そこで語られている事はそっくりそのまま私が言い続けて来たことだ。 私は思う。拉致問題は北朝鮮撃つべしという右翼イデオロギーでも、日本は過去に北朝鮮に対してもっと酷い事をやって来たではないかという左翼イデオロギーでも、解決はできない。 拉致問題は日朝国交正常化実現との同時解決しかない。 それを実現する二国間の直接の話し合いしかない。 まさしく日本の外交力が問われている問題なのである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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