□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月6日第101号 ■ ============================================================== 公明党に「平和の党」を求めるのは「ない物ねだり」なのか ============================================================== きょう2月6日の毎日新聞の社説は、パレスチナやシリアへの空爆を繰り返し、イランを先制攻撃する可能性のあるイスラエルにF35を供与する事を認めるようであれば平和国家としての日本の立場を捨て去る事になるとして、次のように書いている。 「・・・政府の対応について、石破茂自民党幹事長は『三原則の趣旨を逸脱すべきではない』と語り、公明党も三原則を尊重するよう求めている・・・あくまで三原則の理念を堅持することを前提に、対応方針を検討すべきである」と。 石破幹事長がその後考え方を変えたかどうかは知らない。 しかし少なくとも山口公明党代表は、その毎日新聞の社説が掲載されていた2月6日の朝日新聞によれば、あっさりとF-35を武器輸出三原則の例外とすることを容認したらしい。 すなわち朝日はこう書いている。 「・・・公明党の山口那津男代表は5日、日本国内で製造した次期主力戦闘機F35の部品の輸出を武器輸出三原則の例外とする安倍内閣の方針を容認する考えを示した。山口氏は野田内閣が三原則緩和に踏み切った際には厳しく反対していた」、と。 この変わり身の早さはどうか。与党になったら武器輸出三原則を守る立場もあっさりと変えるのか。 私は2003年にブッシュ大統領がイラクを攻撃した時、それに賛成した小泉首相の自民党と連立を組んで小泉首相を擁護した公明党を激しく批判した。 よくもそれで平和を掲げる政党であると厚顔に名乗れるものだと。 これをきっかけに私は公明党に嫌われるようになるのだが、私はそんな私を非難する公明党こそ後悔する事になる、と怯むことはなかった。 平和を唱える事ほど強い事はないという確信が私にはある。 その公明党が今度は安倍自民党と組んで政権政党に返り咲いた。 しかし今度は公明党は安部首相のタカ派ぶりに対してブレーキ役を果たしているかのようだ。 憲法や自衛隊法の改正に慎重姿勢を崩さず、尖閣問題については棚上げを主張して中国との話し合い解決を唱えている。 護憲政党が弱体化する中で、もはや安倍自民党政権の強硬路線に対して待ったをかけることができるのは公明党しかないかの如くだ。 今度こそ公明党は平和の政党ぶりを発揮して頑張ってもらいたい。 そうすれば私はかつての批判を恥じて頭を下げたい。 そう公明党にメッセージを送ろうと思っていたところだった。 その矢先にきょう6日の朝日新聞の記事である。 やはり公明党に平和の党の役割を求めても「ない物ねだり」なのだろうか。 公明党にとって権力の前には平和もまた方便でしかないのか(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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