□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月5日第98号 ■ ============================================================== 人事にみる日本と中国との対米外交力の大きな差 ============================================================== 対米外交力において日本は中国にはとてもかなわない。 中国の外交人事を見てつくづくそう思った。 きょう2月5日の日経新聞が中国外交の新人事体制を報じている。 その中でも私が注目したのは楊潔篪外相が外交トップにあたる国務委員(副首相級)になるというところだ。 彼は駆け出しの頃父ブッシュ大統領が訪中した時の通訳を務め、以来対米外交の要職を歴任して来た人物だ。 米国研修時代はブッシュ家に下宿していたとも言われている。 中国はこうして米国との強いパイプを持つ人物を戦略的に育成し、外交の最前線に送ってきた。 語学力も能力も関係なく、対米関係ポストが単なる出世コースとされてきた日本と比べその戦略性は雲泥の差だ。 おまけに習近平国家主席も米国にホームステイした経験があり、子女はハーバード大学に留学させている。 その習・楊コンビが中国の対米外交を取り仕切るのである。 ひるがえって日本はどうか。 外務大臣は派閥人事で外交の素人ばかりが入閣し、素人大臣が官僚に重宝さる。 その官僚は語学力も米国とのパイプもなくても国内政治力で出世し、次官となり駐米大使となる。 日本の首相でパフォーマンス以上の対米外交ができた政治家がかつていただろうか。 これでは対米外交力で日本は中国に勝てるはずがない。 政策を論じる以前の問題として、日本はその人材育成をもっと戦略的に行なわなければならないのである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新しいコメントを追加