□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月3日第92号 ■ ============================================================== アルジェリア事件について佐藤優氏が吐露したインテリジェンス ============================================================== アルジェリア人質事件に関する検証委員会が発足し、2月中にも検証結果を発表するという。 その検証結果は果たして佐藤優氏が週刊フライデーで暴露したインテリジェンスに言及することになるのだろうか。 検証されるべき事柄の中で最も重要な一つが、日本政府・外務省がこんどの事件の起きる可能性についてどこまで事前に情報をつかんでいたのかという事であるのは間違いない。 この重要な検証事項について、発売中の週刊フライデー2月15日号において元外務省主任分析官の佐藤優氏が次のようなおどろくべき情報を告白している。 すなわち今度の人質事件の発生直前に、私(佐藤)のところに、中東某国の情報機関元幹部が警告を発するために接触して来たというのだ。 因みに佐藤氏はその国の事を、「中東の、イスラム圏でない某国」と言っている。佐藤氏はいつもこのような曖昧な表現を使うのだが、なぜイスラエルとはっきり言わないのだろうか。 もはや佐藤氏がイスラエルの諜報機関であるモサドと深い関係があることは知る人は皆知っているというのにである。 いずれにしてもその人物が佐藤氏に次のように述べたというのだ。 「マサル、アルジェリアで大変な事が起きている。日本政府は、それがわかっていない。リビアの軍事政権の崩壊によって、リビアとの国境地帯を武装した一団が自由に行き来している。これまでとはまるで違う。日本人が標的にならないというのは、もはや神話に近い。イスラム過激派がいる地域に進出する企業と、その社員には大きなリスクがある。その事を認識しなければならない・・・」 そして佐藤氏は次のように続ける。 「おそらく私に接触してくる以前に、(モサドは)日本政府の要路に働きかけていたのでしょう。しかしその反応が鈍いことに、この元幹部は明らかに苛立っていました・・・」 もし佐藤氏がフライデーに書いているこれらの事が事実であるとすれば、日本政府と佐藤氏の責任は重大だと言わざるを得ない。 内閣情報調査室や外務省がモサドとインテリジェンスを定期的に情報交換している事を私は知っている。 佐藤氏のいう通りモサドが日本政府に対して事前に危険情報を伝えていたとしたら日本政府はそれを活かさなかったという事だ。 その日本政府の鈍感さにモサドが危機意識を持って、元モサド幹部を通して佐藤氏に接触してきた事も頷ける。 そしてもし佐藤氏が、みずからこのヅライデーの記事の中で書いているように、モサドからの接触をただ事ではないと察知していたとすれば、佐藤氏はその事について外務省に警鐘を鳴らすべきであった。 いくら佐藤氏が外務省と敵対関係にあるからといっても外務省に伝えるやり方はいくらでもあったはずだ。 これを要するにもし佐藤氏がフライデーに書いている事が真実であれば、モサドの第一級のインテリジェンスに即応せずにみすみす悲劇を招いた日本政府の責任は重大である。 そして、その情報の深刻性を認識していながらそれを外務省に伝えなかった佐藤氏の責任もまた免れないだろう。 佐藤氏が図らずもフライデーに自慢げに告白したインテリジェンスは、検証委員会が検証しなければならない日本政府や佐藤氏に責任をあぶりだしたということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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