□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月2日第90号 ■ ============================================================== パレスチナ問題を知ってしまったらイスラエルに批判的にならざるを得ない ============================================================== なぜ我々とは関係のないパレスチナ問題にそんなに熱心に取り組むのか。 そう友達に聞かれて、そうなのかも知れない、そういう友達を私は批判する気にはなれない、しかし私は見てしまった、知ってしまった、だから私は見て見ぬ振りはできないのだ。 こういってパレスチナ問題に取り組み始めた若者の事を書物で知ったのはもう10年近く前の事だ。 そしていま私は再びそのような若者を見つけた思いだ。 1月31日の毎日新聞「記者の目」でエルサレム支局の花岡洋二記者が書いていた。 昨年11月ガザを訪れてイスラエルの攻撃に苦しむパレスチナ人の現状を目撃した彼は次のように書いていた。 「・・・不条理の連鎖を断つには、イスラエル人が(パレスチナの)人々の日常を支配する『暴力』をまずやめるべきだ。でないとパレスチナにもイスラエルにも『平和』は訪れない。米国や日本を含む国際社会は、それを強くイスラエルに伝えていくしかない」 この当たり前の言葉を日本の記者がここまではっきり書いたのを見たのははじめてだ。 もう一つは発売中の週刊プレーボーイ2月11日号に掲載されていた加藤嘉一氏の言葉だ。 加藤嘉一という人物は、高校卒業後、単身で北京大学へ留学し、中国で日本の意見を発信して中国人の間で有名になった若者だ。いまや日本語、中国語、英語で発信し続ける国際コラムニストである。 その彼が昨年8月に10年間暮らした中国を離れ米国ハーバード大学のフェローになっていたとは知らなかった。 彼はアメリカに拠点を移してアメリカ人のアラブ・中東問題への関心の高さをはじめて知ったと言う。 そしてパレスチナ自治区を訪れてパレスチナの8歳の女の子と話したときに知ってしまったとその心境を次のように書いている。 「・・・誤解をおそれずに言えば、彼女の表情と瞳からは、これまで出会ったどんな女性よりも真っ直ぐで、魅力的なオーラが漂っていました・・・彼女は(私に)こう言いきりました。『私は、祖国・民族の誇りのために死ねる』。氷のように透き通った瞳は本物でした。『負けた』と観念し、刺激を受けたぼくは、本腰を入れてパレスチナ問題に向き合っていこうと気合を入れ直しました・・・人々が望む平和的解決を取りまとめられるかどうか、これが、第2次オバマ政権のキーポイントのひとつでしょう。日本ではあまり話題にならないようですがなぜこれほどインパクトを持つ問題に関心が向かないのか、その理由を教えて!!」 その答えは簡単である。 日本ではパレスチナ問題の正しい報道があまりにも少ないから国民が知らないのだ。 知っている外務官僚や中東専門家は、知っていながら保身のために見て見ぬ振りをするからである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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