□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年2月1日第89号 ■ ============================================================== 「米追従では日朝関係は進まない」と北朝鮮に言われた日本 ============================================================== 少し前のことだが北朝鮮の機関紙である挑戦労働新聞が1月28日の電子版で「日本が米国に追従し、日朝協議を破綻させた」と非難する論説記事を掲載したと、29日の各紙が報じていた。 北朝鮮ごときに言われて反発する国民は多いに違いない。 だからこの報道も多くの国民は苦々しい思いで受け止めたのだろう。 国民が不愉快に思うことはメディアも大きく取り上げない。 だからこの重要な論説は無視してやり過ごされた。 しかし北朝鮮に対する好き嫌いの感情を別にして冷静に考えれば、この日本批判は図星なのである。 それどころか日朝協議を再開したいという北朝鮮の重要なシグナルなのである。 もし本当に安倍首相が在任中に拉致問題を動かそうとすれば日朝協議を再開するほかはない。 これは子どもでも分かる理屈だ。 そしてその為には対米追従外交から決別しなければならないのである。 その理由はさんざん書いてきたからここでは繰り返さない。 一言で言えば、日本にとっては何の脅威にもならない北朝鮮の核問題は米国にかませておいて、日本は日朝国交正常化の実現に全力を傾けるべきなのだ。 その交渉の過程においてのみ拉致問題解決は進むのだ。 そして日朝国交正常化に先を越されることこそ米国が日本に対して絶対に許さないことなのである。 あの小泉首相が平壌宣言を発表しておきながら日朝国交正常化にまで突き進めなかったのは、拉致問題を甘く見ていたこともあるが最大の理由は米国の反発を受けてそれに屈したからだ。 以来小泉首相は何でも米国のいう事を聞くようになった。 それを当時の官房副長官だった安倍首相が知らないはずはない。 何度でも強調する。 拉致問題を本気で解決したいなら日本独自で日朝協議を進めるべきだ。 さもなければ指をくわえて米朝の国交正常化を待ち、その後でおもむろに日本も北朝鮮との国交正常化交渉と拉致問題解決を図るほかはない。 こんな情けない外交を安倍首相が繰り返すなら安倍首相の「日本を取り戻す」という言葉は真っ赤なウソということである。 安倍首相もまた凡庸な対米従属の日本の歴代首相の一人でしかないということだ(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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