□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年1月30日第80号 ■ ============================================================== カナダよ、お前までもか! ============================================================== きょう1月30日の毎日新聞が一段の小さな記事で、安倍首相がカナダのハーパー首相と電話協議し、核実験への自制を北朝鮮に強く求める方針で一致したと報じていた。 私はこのメルマガで北朝鮮問題を論じるのではない。 その記事にカナダのハーパー首相という名前を見つけて、先日ラブキン教授とパレスチナ問題について話し合った時のラブキン教授の言葉を思い出したのだ。 すなわちラブキン教授は国際社会がますますイスラエル寄りになりつつある中で、自ら移住しているカナダさえもいまや米国以上にイスラエル寄りになっている事を次のように憂えていた。 すなわちカナダのハーパー首相が「たとえカナダの国益を損なおうともイスラエル支持の立場を取る」という発言を記者会見で行なってカナダのメディアを驚かせたというのだ。 こんな発言をカナダがしていたとは知らなかった。 この発言は昨年11月末に国連総会がパレスチナを国連のオブザーバー国家に昇格させる決議を圧倒的多数で採択した時、カナダは米国やイスラエルと並んで反対したのであるが、その事について質問された時に発せられた言葉であるという。 対米従属外交で常に日本と比較して語られるのがカナダだ。 米国と国境を接し、つねに米国の圧力にさらされるカナダは、しかしベトナム戦争の時ピアソン首相がベトナム戦争に反対し、当時のジョンソン大統領からつるし上げられた。 それでもカナダ国民はそんなピアソン首相を誇りに思い、カナダの外務省はいまでもピアソン首相の名前をとってピアソン・ビルと呼ばれている。そんなカナダを日本も見習うべきだ。 これがカナダに在勤した経験を持つ孫崎享元外務省情報局長の持論である。 ところがそのカナダの首相がいまや日本以上に対米従属になってしまった如くだ(因みに日本はこの時は珍しくパレスチナのオブザーバー国家昇格に賛成した)。 私も1995年から1997年の二年間カナダに在勤したことがある。当時のクレチェン首相は、私がカナダを去ってからも首相を続け2003年の米国のイラク攻撃には反対した。 その事をラブキン教授に話したら、その通りだ。クレチェン首相は評価できる。しかし今のカナダは様変わりした、と述べた。 それほど国際社会が右傾化しているということなのだろうか。 カナダだよ、お前もか! 孫崎氏はそう思っているに違いない。 そしてそれはラブキン教授や私の思いでもある(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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