□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2013年1月28日第71号 ■ ============================================================== 国会で安保論争がなくなったためにこんな不当がまかり通る ============================================================== きょうから国会が始まるらしい。 ただでさえ不毛な国会が今度こそ無意味なものになるだろう。 政策なき政局一色の国会になるだろう。 論争すべき政策は山ほどあるのにここまで野党が弱体化し、分裂してしまっては論戦を挑んだところで相手にされない。 そんな中でも特に安保問題についてはそれを本気で取り上げる議員はいないに違いない。 護憲政党の衰退が甚だしいからだ。 国民はもはや安保問題については関心を示す余裕すらないからだ。 その一方で現実はとんでもない事がどんどんとまかり通っている。 たとえばF35次期戦闘機の配備が不可能になったという昨日1月27日の産経新聞の記事だ。 無理を承知で野田民主党政権下で強引に導入決定をしたF35戦闘機がとうとう役立たずであることが明らかになったという。 2012年度の米国防総省の年次報告書が米国議会で明らかにしたF35の性能が防衛省が要求している性能を満たさないというのだ。 つまり日本を守れない戦闘機を買ってしまったということだ。 これ以上の税金の無駄遣いはない。 それでも安倍自民党政権は踏襲するという。 カナダやオーストラリアや韓国までもが導入を見送ったというのに、日本だけが導入方針を貫いている。 今月18日のクリントン・岸外相会談で取り上げられたというから、米国から日本だけは導入を見送らないでくれと頼まれたらしい。 その事を問われた日米関係者は「中身はもちろん、F35が議題になったかどうかも言えない」などと深刻な事態となりつつある事を示唆しているという。 こんな税金の無駄遣いは国会で徹底的に審議されなければならないはずなのに、おそらく誰も質問しないだろう。 もう一つは防衛省が海上自衛隊の潜水艦技術をオーストラリアの新型潜水艦開発に提供する事を検討しているという1月27日の朝日新聞のスクープ記事だ。 これが事実なら明らかな武器輸出三原則違反である。 軍事技術の提供が武器輸出3原則の対象から外されたのは2011年であったが、それはあくまでも米国に限っての緩和である。 日米安保条約を結んでいる唯一の国である米国ゆえの例外であるという訳だ。 しかし野田民主党政権は昨年4月に英国との間で防衛装備品の共同開発・生産を始める事に合意し、対象を英国に拡大した。 なし崩し的拡大だ。 それでも英国の場合は日英同盟のよしみがあり、米国の同盟国である英国だから日・アングロサクソン同盟だから止むを得ないという詭弁をするのだろう。 しかし今度はオーストラリアにまで例外を拡大するという。 歯止めのない武器輸出三原則違反だ。 こんな重要な事が国会での一切の議論なく決められていく。 歴史の歯車を逆にまわしているような政策が当然のように次々と決められていく。 そしてそれを本気で追及する政治家がいない。 政治はもはやまともな安保論争のないままに憲法9条否定の方向に音をたてて進みつつある。 それを政治の場で待ったをかけるのがインターネット政党の数ある役割の一つなのである(了)。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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