□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年10月6日第748号 ■ ============================================================== 野田首相に敗れた前原戦略担当大臣の焦りといらだち ============================================================== まるで憂さ晴らしをしているかのような前原国家戦略相の越権とも 思える言動の連発だ。 就任してまだ数日しか経たないと言うのにこの自己顕示振りはどうだ。 予算編成に意欲を示して財務省とさや当てする(10月5日毎日) と思ったら、日銀の金融政策決定会合に参加し金融緩和を要求する。 日銀は政府から独立性を保つ機関ではなかったか。 もっとも日銀総裁は金融政策は日銀が決めると言っている。前原大臣 が何を言おうと関係ないといわんばかりだ。 かえって前原大臣の言動の軽さが浮き彫りになった格好だ。 それにとどまらない。 原発輸出は直ちに止めるものではない(10月5日産経 新閣僚に 聞く)と語り原発政策についても口を出す。 オスプレイについては米国ともう一度話し合うべきだと発言して皆を 驚かせた。あの時は「言うだけ番長」だったが、状況が有利とみればまた 発言してくるだろう。対米関係は俺にまかせろというわけだ。 しかしもはや前原氏の言動には不思議に訴求力がない。 それどころか野田首相はまるで無視しているかのようだ。 その野田首相はといえば、ますます財務官僚を味方につけて自信をつけ ているがごとくだ。 一つの興味深い記事を見つけた。 日経新聞の10月5日夕刊、そして10月6日の朝刊に、WEB刊 を引用した要旨次のような記事が掲載されている。 野田首相は今度の内閣改造を機に子分の手塚仁雄議員を首相補佐官から 外し、新しい補佐官を財務官僚OBで固めたという。それを見た前原誠司 グループの一人が吐き捨てるように言ったと言う。「財務省支配内閣だ」と。 周知のように下馬評では前原財務大臣説がささやかれていた。 それをつぶしたのが財務官僚と野田首相だった。 前原国家戦略相と野田首相の距離は開くばかりだ。 そして強いのは権力を握った野田首相だ。 民主党は野田政権で終わり下野する。近い将来民主党が政権に就くこと はない。それどころか民主党は選挙後の政界再編の流れの中で消滅していく かもしれない。 野田首相は松下政経塾出身の最初で最後の首相となるに違いない。 前原氏の焦りといらだちは無理もない。 そういえば前原氏を支持してきた仙谷由人という政治家もいまでは すっかり消えてしまった。 民主党政権はこれ以上政権を担う状況にはない。 これが政権末期というものだ。 了 お知らせ 9月29日に実況放映された対談が以下の通り録画販売されることに なりましたので案内します。 ●サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談 尖閣問題をめぐる東アジアの緊張と今後の政局(本編:約89分) http://foomii.com/00057/2012100118000012061 【販売価格:315円(税込)】 ダイジェスト版はこちら ⇒ http://goo.gl/frnmQ ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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