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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

露呈した原子力規制委員会の限界と野田首相の責任
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年10月6日第747号 ■   ==============================================================    露呈した原子力規制委員会の限界と野田首相の責任  ==============================================================  鳴り物入りで発足した原子力規制委員会だったが、この存在感のなさ はどうだ。  発足直後からその限界を見事に露呈した。  しかしそのすべての責任は野田首相にある。  田中委員長には初めから不運が重なった。  原子力ムラの一員だった人物に原発の規制ができるのかという世論の 反発があり、おまけにその人事決定が国会がマヒしたこともあり国会承認 を飛ばして野田首相の独断という異常さで終わった。  それだけでもその正統性に疑義が付きまとう。  しかしやはり最大の問題は原発の再稼働の最終決定権が首相にあるのか 原子力規制委員会にあるのか不明だということだ。  この問題こそ野田首相の最大の責任である。  考えてみれば野田佳彦という政治家はどこまでも卑怯な人間だと思う。  原発の安全性の判断は原子力規制委員会の専門的判断に任せるという。  そして原発再稼働の最終判断はあくまでも安全性が確認されたかどうか で判断されるという。  つまり世論の手前、自分で決断せず、原子力規制委員会に押しつけて いるのだ。  しかし許しがたいことは米国に対してははやばやと原発は止めませんと こっそり政治決断しているところだ。  これでは原子力規制委員会に同情したくもなる。  原子力規制委員会の田中俊一委員長が「規制委は科学的、技術的観点か ら安全基準を満たしているかを判断する立場」であるとして、原発再稼働 の是非は判断しないとの考えを貫いているのはせめてもの抵抗だろう。  当たり前だ。原発政策を維持するか廃止するかは、最大の政治問題だ。  その政治判断の責任から逃げる野田首相は、それだけでも首相失格だ。  ここまでは私は原子力規制委員会に同情的だ。  ところが日刊ゲンダイ10月6日号の記事を読んでやはり原子力規制 委員会は許しがたいと思った。  その記事はこう書いている。原子力規制委員会は六本木の20階建ての 高級賃貸ビルに住居しているという。  借り上げ事務所の家賃は月額4400万円であるという。  原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁の予算は今年度分で 約504億円が計上されているがその予算は東日本大震災の復興予算で 一部賄われているという。  復興予算が被災者のためではなくほかに無駄遣いされているということは すでにさんざん言われて来たが、官僚の高級オフィスの賃貸料に使われて いるのだ。  その予算の原資は我々の税金である。  許せない原子力規制委員会だ。  もっともすべてを決めたのは一年前に発足した原子力安全規制組織等改革 準備室であるという。  すべては官僚が決めているのだ。  すべての責任は官僚支配を復活させた野田首相にある。                             了    お知らせ  9月29日にライブ配信した「サタデーナイトライブ 天木×植草 の時事対談」を見逃した方のためにアーカイブ動画の販売が開始し されましたので以下の通り案内します。 ●サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談  尖閣問題をめぐる東アジアの緊張と今後の政局(本編:約89分) http://foomii.com/00057/2012100118000012061 【販売価格:315円(税込)】 ダイジェスト版はこちら ⇒ http://goo.gl/frnmQ ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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